新日鉄住金ステンレス、食品工場のタンク用向け省合金二相鋼、初採用

 新日鉄住金ステンレスは6日、省合金二相ステンレス「NSSC2120」厚板・薄板が食品工場タンク向けに初採用されたと発表した。サントリープロダクツの天然水奥大山ブナの森工場に新設されたタンク用素材として、約40トン採用された。タンク製造は本村製作所。当初はSUS304の採用が検討されたが、NSSC2120の耐食性と薄手化・軽量化設計を可能とする高強度が認められ、長寿命化と投資費用削減の両面で評価された。

 サントリープロダクツが生産体制拡充を目的に新設した設備のうち、製造ラインの洗浄水を貯蔵する用水タンク1基と、製造ラインで発生した排水を一時的に貯蔵する排水タンク6基に採用された。厚板が35トン、薄板が5トンで板厚は2~6ミリ。

 当初設計のSUS304では板厚は3~8ミリ、重量は約50トンが想定されていた。NSSC2120の引張強度はSUS304の約2倍と高強度であり、薄手・軽量化と省合金化の両面でコスト低減に寄与した。

 当該のタンクは3月に操業を開始し、順調に稼働している。

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