過去5年のFA移籍選手の成績は? 阪神・高橋聡は新天地で復活【セ・リーグ編】

阪神からFAでDeNAに加入した久保康は移籍1年目に2桁勝利【写真:編集部】

2012年以降、巨人を除くセ・リーグ球団へFA移籍したのは7選手

 師走に入って球界はストープリーグの話題に包まれている。その中の1つがFA権を行使した選手たちの動向である。長らくチームの一線級で活躍をしてきた選手の権利と言えるFA権。では、移籍を決断した後、選手たちはどれほの結果を残しているのだろうか。

 2012年から2016年の過去5年間でFA権を行使し、国内他球団に移籍した選手は全部で25人(宣言残留、MLB挑戦は除いている)。同一リーグでの移籍は14選手、セ・リーグ→パ・リーグは3選手、パ・リーグ→セ・リーグが8選手となっており、巨人への移籍が12球団の中で最も多い8選手となっている。

 最多の8選手を迎え入れていた巨人編、そしてパ・リーグ編に続いて、今回は移籍先球団がセ・リーグだった選手たちを見ていこう。2012年から新天地を巨人を除くセ・リーグ球団に求めた選手は7選手。その選手たちの移籍前後の成績は以下のようになっている。(※金額は推定)

【2012年】
○日高剛(オリックス→阪神)2014年オフに現役を引退
2011(オ)26試合44打数3安打0本塁打2打点0盗塁 .068
2012(オ)52試合117打数28安打1本塁打8打点0盗塁 .239
2013(神)44試合97打数28安打2本塁打7打点1盗塁 .289
2014(神)2試合0打数0安打0本塁打0打点0盗塁 .000

 1995年のドラフト3位で九州国際大付高からオリックスへ入団。3年目に1軍デビューすると、徐々に出番を増やして正捕手の座を掴む。2005年オフに一度FA権を行使したが、その際はオリックスに宣言残留した。2008年にキャリアハイとなる134試合に出場して打率.269もマークした。その後徐々に出番が減ると2012年オフに権利を行使して阪神へ移籍したが、目立った活躍は出来ず。移籍2年目の2014年オフに現役を引退した。

“松坂世代”DeNA久保は今オフに戦力外となり、自由契約に

【2013年】
○小笠原道大(巨人→中日)2015年オフに現役引退
2012(巨)34試合92打数14安打0本塁打4打点0盗塁 .152
2013(巨)22試合36打数9安打1本塁打8打点0盗塁 .250
2014(中)81試合83打数25安打1本塁打18打点0盗塁 .301
2015(中)53試合51打数15安打0本塁打8打点0盗塁 .294

 暁星国際高からNTT関東を経て1997年に日本ハムへ。最多安打や首位打者、本塁打王などのタイトルを獲得し、2006年オフにFA権を行使して巨人に移籍。移籍後も4年連続3割30本塁打を記録するなど活躍した。2011年から怪我や不振で成績を落とすと、2013年オフに2度目の権利行使で中日へ。代打の切り札として起用されたが、移籍2年目の2015年オフに現役を引退。中日の2軍監督を務めている。

○久保康友(阪神→DeNA)
2012(神)18試合4勝7敗0H0S 108回 99安打65三振 2.33
2013(神)44試合3勝4敗11H6S 53回2/3 48安打46三振 2.85
2014(De)28試合12勝6敗0H0S 178回1/3 181安打119三振 3.33
2015(De)21試合8勝7敗0H0S 122回1/3 130安打88三振 4.12
2016(De)15試合5勝8敗0H0S 96回1/3 102安打80三振 3.55
2017(De)7試合4勝2敗0H0S 37回 46安打33三振 5.35

 関大一高、松下電器を経て、2004年のドラフト自由獲得枠でロッテへ。1年目から先発ローテに入って10勝を挙げて新人王を獲得。2009年の開幕前に阪神へとトレードで移籍し、2010年には自己最高の14勝を挙げた。中継ぎも経験し、2013年オフに権利を行使してDeNAへ。1年目は2桁12勝を挙げたが、2年目以降は徐々に成績が下降。今オフに戦力外となり、自由契約となった。

【2014年】
○大引啓次(日本ハム→ヤクルト)
2013(日)120試合402打数107安打3本塁打32打点13盗塁 .266
2014(日)132試合432打数106安打5本塁打47打点21盗塁 .245
2015(ヤ)96試合311打数70安打5本塁打41打点6盗塁 .225
2016(ヤ)100試合348打数87安打5本塁打27打点7盗塁 .250
2017(ヤ)80試合273打数62安打5本塁打29打点3盗塁 .227

 浪速高、法政大と進み、2006年の大学生・社会人ドラフト3位でオリックスへ。1年目から126試合に出場すると、その後も主力として活躍。2013年1月に糸井嘉男らとのトレードで日本ハムへ移籍し、新天地でもレギュラーとして2013年が120試合、2014年は132試合に出場した。2014年オフに権利を行使してヤクルトへ。ヤクルト移籍後は故障などもあってオリックス、日本ハム時代に比べて、出場試合数を減らしている。

○成瀬善久(ロッテ→ヤクルト)
2013(ロ)14試合6勝4敗0H0S 87回 81安打51三振 3.00
2014(ロ)23試合9勝11敗0H0S 142回2/3 153安打88三振 4.67
2015(ヤ)14試合3勝8敗0H0S 79回1/3 83安打46三振 4.76
2016(ヤ)22試合3勝2敗0H0S 72回1/3 82安打42三振 5.60
2017(ヤ)12試合0勝1敗0H0S 16回2/3 16安打10三振 5.40

 横浜高から2003年のドラフト6位でロッテへ。3年目の2006年にプロ初勝利を含む5勝をマークすると、2007年に16勝を挙げる。2009年から4年連続2桁勝利をマークし、2014年オフにFA権を行使して3年総額6億円でヤクルトへ。だが、移籍後は2年連続でシーズン3勝しか挙げられておらず、今季は12試合に投げて未勝利に終わった。

高橋聡は阪神にとって不可欠な中継ぎ左腕に

【2015年】
○高橋聡文(中日→阪神)
2014(中)22試合0勝0敗6H0S 19回 17安打19三振 2.37
2015(中)35試合3勝3敗6H0S 25回2/3 27安打26三振 3.51
2016(神)54試合3勝1敗20H0S 38回1/3 38安打38三振 3.76
2017(神)61試合6勝0敗20H1S 47回2/3 29安打51三振 1.70

 高岡第一高から2001年のドラフト8位で中日へ入団。3年目の2004年から1軍に定着すると、2005年には61試合に登板。2010年には63試合に投げて31ホールドをマークした。だが、その後は、左肩痛に悩まされるなどして、成績を落とした。2015年オフに3年総額1億5000万円で阪神へ移籍すると、貴重な中継ぎ左腕として重宝されて復活。移籍1年目の昨季は54試合に投げると、今季は61試合で6勝、防御率1.70と好成績をマークした。

【2016年】
○糸井嘉男(オリックス→阪神)
2015(オ)132試合484打数127安打17本塁打68打点11盗塁 .262
2016(オ)143試合532打数163安打17本塁打70打点53盗塁 .306
2017(神)114試合427打数124安打17本塁打62打点21盗塁 .290

 2003年の自由獲得枠で近畿大から日本ハムへ入団。プロ入り当初は投手だったが、2006年のシーズン中に外野手へと転向した。2009年に定位置を掴み、2013年にトレードでオリックスへ。2009年から6年連続で打率3割をマークし、2014年には首位打者にも輝いた。2016年オフにFA権を行使し、4年総額18億円という大型契約で阪神へ。移籍1年目は7月に右脇腹の肉離れで離脱し、114試合出場にとどまったが、打率.290、17本塁打の成績を残した。

(Full-Count編集部)

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