高砂熱学工業がアルミ配管用の機械式継手を開発 軽量、廉価簡単施工

 高砂熱学工業は6日、東尾メックと共同でアルミ配管用の機械式継手を開発したと発表した。建設現場における冷媒配管工事でこれまで主流であった銅配管に比べ軽量、廉価という特徴を生かし、堅調なリニューアル工事に適するアルミ冷媒配管工法を展開していく。

 このほど開発したアルミ配管用機械式接手「アルミおっぞんくん」は、東尾メックの銅配管接続用の機械式接手「おっぞんくん」の基本構造を踏襲してアルミ配管用に開発したもの。耐食性と強度に優れ、施工もモンキーレンチを使うだけで容易に使用できる。

 アルミ配管用機械式接手の開発をめぐっては、今春から気候や空調機の運転パターンが異なる全国9カ所の地区事務所や仮設事務所の空調設備にアルミ配管を導入し、「アルミおっぞんくん」の施工実験と空調設備のフィールド検証を実施した。さらに10月にはグループ会社の日本設備工業札幌支店での空調設備更新に合わせて、すべての冷媒管にアルミ配管と「アルミおっぞんくん」を導入。アルミ管同士の接続には「アルミ+アルミタイプ」を、機器周りの銅管との接続は「アルミ+銅タイプ」を採用していた。

 高砂熱学工業は冷媒配管工事の取り組みとして9月に、施工現場での銅配管内部の酸化防止とロウ付け新工法として、配管接続作業時間を約8割削減する「エルブレイズ工法」を開発。専用工具を使用し、本工法の作業資格者が施工することを条件に、専用工具のレンタル会社ならびに代理店を通じて本工法の利用を他社へ開放するなど普及に努めている。

 また電気自動車の急速な普及などによって、10年後の27年には約9倍の銅需要増が見込まれることから、銅配管自体の先行きが不透明としていた。こうした中でアルミ配管は、銅配管と比べて3分の1と軽量なことから作業員への負担を低減できるとともに、設備業界でアルミ材のリサイクル率を高めることで、約20%のCO2排出量の削減につながるとし、脱炭素社会への貢献にも寄与することからアルミ冷媒配管工法の研究に取り組んでいた。

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