医療費控除の申請方法4つのポイント

年末調整しかしていない人にとっては、初めて医療費控除の申請をする時はわからないことだらけでしょう。一度で確定申告が済むよう、申請方法の基本的なことを確認しておきましょう。

医療費控除を受けるには確定申告が必要

医療費控除を受ける場合、年末調整で済ませている人であっても確定申告が必要です。ただ、初めて確定申告するような人には、わからないことだらけではないでしょうか?何度も税務署に足を運ばなくて済むよう、申請における4つのポイントを確認しておきましょう。

医療費控除の提出先は税務署

医療費控除の確定申告は、納税地を所轄する税務署(税務署長)へ提出することになっています。納税地とは一般的に住所地のことを言い、日本国内に住所がある人はその住所地が納税地になります。住所とは、生活の本拠としている場所のことで、生活の本拠としているかどうかは客観的事実によって判定されます。年の途中に引っ越しをしている場合は、確定申告書を提出する時の住所地になります。

※所轄の税務署がどこかは国税庁の「国税局・税務署を調べる」で確認できます。

確定申告の時期は翌年3月15日まで

確定申告書の提出時期は、原則2月16日から3月15日の間。2018年の確定申告期間は2月16日から3月15日(参考「確定申告の時期、2018年はいつからいつまで?」)ですが、確定申告が医療費控除だけなどの還付申告(参考「還付申告ができる条件と提出期限」)の場合は、1月からでも受け付けてくれます。

1月から12月までの医療費控除額を計算し、申告書等の記入が済んでいるなら、税務署が比較的空いている1月中に提出しておくと良いでしょう。なお、確定申告書の提出は郵送でも可能です。

医療費の領収書や源泉徴収票も必要

医療費控除の確定申告には、以下の書類が必要です。 ・確定申告書(複写式で第一表や第二表を記入) ・医療費の明細書(医療費の支払い先が多い場合や支払った医療費が高額な場合は必要) ・医療費の領収書(確定申告書に添付するか確定申告書の提出の際に提示する必要あり) ・交通費などの計算書(書式は自由) ・源泉徴収票(給与所得者は原本を申告書に添付して提出)そのため、領収書は確定申告まで失くさないよう保管しておく必要があります。

よく源泉徴収票を紛失する人がいますが、医療費控除の確定申告をするなら失くさないよう保管しておきましょう。もし失くしてしまった場合は、勤務先に再発行を依頼してください。

申告後に源泉徴収された一部が戻ってくる

確定申告書の税務署への提出は、まだ受付に出したにすぎません。提出のときに不足書類や記入漏れなどがあれば、その場で指摘されることもあります。領収書を持参し忘れると、一度家に取りに帰るようなことも。また、提出時に何も指摘されなくても、後日電話がかかってきて指摘されることもあります。なお、特に問題がなければ連絡は何もありませんが。

給与所得者で、すでに天引きされた源泉徴収税額と医療費控除を精算した際、税金を払い過ぎている場合は、提出からおおよそ1カ月後に払い過ぎた分が確定申告書に記入した銀行口座へ振り込まれます。払い過ぎた税金の一部が戻ってくるのであって、国からお金をもらうわけではありませんが、仮に少額であっても戻ってくると嬉しいものです。

年初の段階では、医療費控除を受けるかどうかまだ見当がつかないことが多いですが、医療費控除には支払った医療費の領収書が必要になるので、毎年医療費に関する領収書は保管しておくよう習慣付けしておきましょう。

(文:松浦 建二)

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