「世界一の抑えに」山崎康」 児童に夢の大切さ語る

 横浜DeNAの山崎康晃投手(25)が8日、日本サッカー協会が子どもの育成を目的に展開する「こころのプロジェクト」で東京都台東区の忍岡小学校を訪問し、「夢先生」として特別授業を行った。5年生30人に自らの経験を踏まえ、夢を持つ大切さなどを優しく、笑顔で伝えた。

 前半はユニホーム姿で体育館でのゲームなどに参加。後半はスーツに、眼鏡をかけて教壇に立った。自作した写真入りの資料を黒板に張り、プロ野球選手になるまでの過程を紹介した。

 甲子園を目指して東京・帝京高に進学し、3番手投手から最後の夏にはエースに上り詰めながらも、ドラフト会議で指名漏れして初めて挫折を味わった。強豪・亜大での厳しい練習に耐え、大学4年のドラフト会議で1位指名を受け、夢をかなえた山崎康は「ひたすら夢を思い続けて、頑張ることを忘れないでほしい」と語り掛けた。

 2020年東京五輪では、本拠地の横浜スタジアムが野球の主会場となる。日本代表に名を連ねる山崎康は「僕の夢は世界一のクローザーになりたい」と子どもたちに宣言。「地元開催だし、ヤスアキジャンプもしてもらいたい」と金メダルへの青写真を描く。

 高校の社会科の教員免許を持つ守護神は、昨年に続く2度目の先生役だった。同プロジェクトの趣旨に共感し、志願しての再登板。前夜は滞在先の大阪のホテルで朝4時まで資料づくりに精を出したといい、「紙を切ったり、貼ったり。ちゃんと伝わるように。子どもが夢を持って大きくなっていけば、それが僕自身の報いになる」と口元を緩ませた。

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