丹沢の警備派出所が閉所 登山客増え遭難も増加

 丹沢の山岳救助の拠点となる秦野署の丹沢臨時警備派出所の閉所式が8日、秦野市堀山下の県立秦野戸川公園で開かれた。

 4月7日に開所され、登山客が増える7〜8月の週末には県警機動隊員が2人ずつ詰めた。今年は12月6日現在で山岳遭難35件と前年同期比で9件多かった。

 4月30日には82歳の男性が1人で沢登り中に滑落し、骨折。同署と市消防本部の山岳救助隊9人は発見時、日没も迫り二次災害も心配されたため、この日の下山を断念し、男性と夜を明かすことになった。一晩中、励ましたといい、男性は翌早朝、ヘリで救出された。

 閉所式には救助隊員ら30人が出席。本田正弘隊長が片山真署長に部隊のシンボルのピッケルを返還した。本田隊長は「登山客が増えた分、遭難も増えてしまった」と振り返り、「準備不足の高齢者が道に迷って遭難するケースが多かった。登山計画書を提出するなど事前にしっかりと準備し、安全登山を心掛けてほしい」と呼び掛けていた。

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