長崎県生物学会員の米(よね)文博さん(69)=五島市在住=が、佐世保市野崎町の花の森公園近くで、シジミチョウの仲間「ムラサキツバメ」が集団越冬している様子を確認した。米さんは2002年に同じ場所で初めて発見。15年後も続く生態に驚いている。
羽を広げた大きさは3~4センチで、西日本を中心に分布。本土では国内で唯一、集団越冬する種だが、理由や詳しい生態は解明されていない。米さんは6日午前、公園近くにあるハッサクの葉の上で、約30匹が横倒しに重なり合っている姿を確認。羽を閉じた状態で、枯れ葉に擬態をしているという。
米さんはかつて佐世保市に住んでいた。02年に初めて発見してから毎年観察。個体は毎年世代交代しているにもかかわらず、ほぼ同じ時期、同じ場所で確認できたという。14年に五島市に移住し、今回は3年ぶりに訪れた。「チョウの生態の不思議さに何とも言えない驚きと感動を覚えた」と話している。