「税金でもあり、残念」 諫干制裁金10億円超で農相

 国営諫早湾干拓事業の開門調査問題で、国が開門を求める漁業者に支払っている制裁金の総額が8日の支払い分で10億円を突破した。斎藤健農相は同日の閣議後の会見で「国の主張が認められず、こうした状況に陥ってることは、税金でもあり非常に残念」と述べた。

 制裁金は、国が福岡高裁の開門確定判決を履行しないため開門派が求め、司法手続きで決定。開門するまで漁業者45人に1日計90万円が月単位で支払われ、2014年6月から今月分で10億1250万円に達した。一方、国は開門した場合も開門反対派に制裁金を支払う義務を負っている。

 斎藤農相は会見でこうした板挟み状態を説明しながら、問題解決について「基金による和解で関係者の理解と協力が得られるよう一層努力していく」と従来の主張を繰り返した。

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