休部の日産野球部OBらが児童たちを指導 厚木

 社会人野球の名門として知られ、現在休部中の日産自動車硬式野球部のOBらによる少年野球教室が9日、同社先進技術開発センター(厚木市森の里青山)近くのグラウンドで開かれた。教室は休部後も継続しており、今年は厚木、伊勢原両市を中心に小学生約170人が参加。晴れ渡った冬空の下、児童はOBら14人の指導を受けながら白球を追った。

 ポジション別に分かれ、投手と捕手、内野手のOBらがそれぞれのプレーのこつを伝授した。バッティング指導では「腕だけで打とうとしない」と説明しながら実演。フルスイングで大きな弧を描くと歓声が上がった。

 厚木市の少年野球チームのヘッドコーチを務める参加者(47)は「丁寧に教えてくれてありがたい。子どもたちの視野が広がると思う」と感謝。平塚市に住む6年生の児童(12)は「ためになることが多かった。自分が教えてもらったことをチームの仲間にも伝えたい」と振り返った。

 教室は休部後、散り散りになった元部員たちの再会の場でもある。元内野手で追浜工場(横須賀市)に勤務するOB(40)は「現役の時に応援してくださった方々が今も大勢いる。地域と会社と野球を結び、子どもたちにつなげる形で恩返しを続けたい」と語った。

 同野球部は都市対抗で2度、日本選手権で1度優勝した名門として知られた。2008年の米リーマン・ショックの影響で、09年末に休部した。

© 株式会社神奈川新聞社