積極的にやってみて!ストレスに強い体質になるコツ

ストレスに強くなるポイントとしては、ストレスに対して受身になるのではなく、積極的にコントロールして行こうという姿勢が大切です。

最近、「ふー」とため息を付いてしまった瞬間はありませんでしたか? 人生はストレスが一杯でどうしようもないですが、はっきり言って、ストレスから逃れることは不可能。家庭、職場などで、次から次へとストレスはやってきます。もう、付き合っていくしか道はないのですが、付き合い方を間違えてしまうと、まずい(時には非常にまずい)結果が待っています。

例えば、職場の昇進試験が直近の時。プレッシャーから何か新しいことをしたくなり、美容院で試みた新しいヘアスタイル。その場は心がすっきりしたのに、同僚から似合っていないと言われて落ち込んでしまった……。難しい事が起きることもありますが、ここではストレスとうまく付き合うためのヒントを幾つかご紹介したいと思います。

良いストレスと悪いストレス

ストレスは完全な悪者というわけではありません。実は、良い面もあります。

例えば、仕事を能率的にこなすためにはある程度のストレスが必要です。緊張感を欠き、心が緩んでしまっては仕事がはかどらないでしょう。しかし、ストレスが大きくなるとイライラ、不安が強まり、仕事の能率は低下してしまいます。結局、ストレスとうまく付き合うということは、ストレスを自分に合ったレベルに保つということになります。

では、ストレスの正体は何でしょうか? 簡単に言うと、困難な状況に直面した時に起きる脳の反応です。脳が危険や困難を感じると、脳の一部である視床下部、下垂体、また、副腎が連鎖的に活性化され、ストレス・ホルモンと呼ばれる物質が血液中に分泌されます。ストレス・ホルモンにはカテコラミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)とステロイドホルモン(コルチゾール)があります。

カテコラミンは心拍数を増加させ血圧を上げ、体を戦闘モードに切り替え、ストレスの原因である困難や危険に備えます。一方、ステロイドホルモンであるコルチゾールは免疫系、糖代謝といった体の生理機能を変化させます。

ストレスで起こる心身の不調

慢性的なストレス下では、ストレス・ホルモンがいつも血液中に過剰に存在してしまい、体にいろいろ悪影響が現れてきます。

例えば、最近、風邪を引きやすくなってしまったなんてことはないですか? 風邪を引きやすいのは体内の免疫力が低下した時ですが、ストレス・ホルモンの一つ、コルチゾールは免疫力を低下させ、細菌やウイルスに対する防御を弱くします。

その他にも、ストレスの引き起こす病気、症状には以下のようなものがあります。

・心血管系疾患(心筋梗塞、脳梗塞など)

・アレルギー疾患(喘息、花粉症など)

・消化器潰瘍

・糖尿病

・悪性腫瘍

・頭痛

・不眠、食行動の変化

・不安発作、パニック障害

・うつ病

このリストを見ても、ストレスはいろいろな病気の原因になっていますね。ストレスは万病の元と言っても大丈夫だと思います。

ストレスに強い体質になるには?

ストレスにうまく対処するには、ストレスに対して受身になるのではなく、自分から積極的にコントロールしていこうという姿勢がポイントだと思います。

例えば、車の運転が危なっかしい人の助手席に座った時には、車を運転する人よりずっとストレスを感じませんか? 状況が自分でコントロールできる場合とできない場合では大違いです。

以下のような事をストレスと付き合う為のヒントとしておいて下さい。

・ストレスの正体をはっきりさせる

日頃の何が自分のストレスになっているのでしょう? 何となく分かっているだけで、意外と見落としている場合があるかもしれません。ストレスという敵と戦うには、まず敵の正体を見極めましょう。何が自分のストレスかを箇条書きにしてみると良いもしれません。

例えば、

・義理の親

・会社の上司

・勉強しない子供……

などなど。敵の姿がはっきりすれば、自ずと対策が見えてくるのではないでしょうか。

・話す!

他の人と自分のストレスについて話し、ストレスをシェアしましょう。心が軽くなります! 実際、多くの方が実践している事でしょう。

例えば、「家のダンナ、もう、嫌になっちゃう! ゴロゴロしているだけで、何にもしない!」といったことは、ありがちです。とにかく、心の健康は大事! おおいにグチをこぼしましょう。でも、グチを聞かされる方は少々、辛いかもしれません。

・泣きたい時は泣く!

悲しい時、辛い時は我慢しないで、素直に泣きましょう。(もちろん、一人の時が望ましいと思いますが)感情を発散させて、ストレスを溜め込まないようにしましょう。

・スキンシップは大切

体と体のふれ合いは心をリラックスさせます。辛い時、パートナーから抱きしめられたり、可愛がっているペットが側に寄って来ると心が軽くなるでしょう。また、欧米では挨拶がわりに抱擁したりしますが、人間同士の緊張を和らげる良い習慣だと思います。

・運動は効果的

定期的に何か運動をされていますか? 忙しい中、そんな時間なんかない!という方も運動の効果は頭に留めておいた方が良いですよ。運動(激しい運動はかえって、体に良くありませんが)の効果は体を引き締め、格好良くなるだけではありません。

体内のストレスホルモンを減少させるので、ストレスに強くなれます。仕事帰りにジムに寄って、「宵越しのストレスは残さない!」というのも良いかもしれません。もしも、ストレスがどうしても手に負えない場合は、うつ病など心に変調が起きやすい時なので、是非、精神科(神経科)で相談してみましょう。

(文:中嶋 泰憲)

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