三菱製鋼、自動車用巻ばねで欧州進出 ドイツ社を買収、グローバル供給網拡大

 三菱製鋼(社長・佐藤基行氏)は8日、自動車サスペンション用ばね(巻ばね・スタビライザ)事業で欧州に進出すると発表した。ドイツの巻ばねメーカーを買収することで合意した。12月下旬に契約を締結し、2018年2月下旬に完全子会社化する。日本、北米(カナダ、米国、メキシコ)、中国、インドに加えて欧州にも製造拠点を持つことで自動車用ばねのグローバル供給網構築が進む。独会社はスタビライザ生産も将来行う。買収額は公表していない。

 独会社はゲブリューダー・アーレ。1904年設立でノルトライン・ヴェストファーレン州リンドラー市に本社工場を持ち、自動車などに使われる巻ばねの設計・製造・販売を行っている。資本金300万ユーロ(約4億円)で16年売上高は2400万ユーロ(約32億円)。

 両社の間に資本・取引関係はなかった。買収後は「MSSCアーレ・ドイッチェランド」に社名変更する予定。MSSCは北米3社と共通する企業ブランドで、海外市場で知名度が高い。三菱製鋼は今期だけでもメキシコのスタビライザ新工場、中国工場のスタビライザライン、インドの建機用太巻ばね工場を立ち上げるなど海外展開を積極化している。

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