西武・栗山が語るリアル野球盤の「無限の可能性」

先日開催された「第7回栗山巧杯」では大会後にリアル野球盤が行われた【写真提供:SEIBU Lions】

西武・栗山が野球教室の前に行った新たな企画

 12月3日、兵庫県立三木総合防災公園野球場にて「第7回栗山巧杯」が開催され、大会後には“みんなで野球遊びをしよう”というテーマでリアル野球盤が行われた。従来は大会から野球教室という流れが定着していたが、7回目を迎えた今年はその野球教室の前にリアル野球盤が加わった。初めてプレーする子供たちでも気軽に参加ができるという点に着目し、新たに企画された形だ。

 冬の澄み切った青空のもとで行われたこの日のイベント。埼玉西武ライオンズの栗山巧選手と永江恭平選手が2チームに分かれ、30人余りの子供たちが順番にティースタンド上のボールを各ゾーンに放っていく。両選手は時折アドバイスを送りながらサポート役に徹し、打球がヒットゾーンに飛んだ際には子供たちとハイタッチをするシーンも見られ、グラウンド上には自然と笑顔が生まれていた。2人も打席に入り、見事なオーバーフェンス打を放つと会場全体が大いに沸きあがった。

 全イベントの終了後、栗山にイベント開催の意図や感想を問うと、野球だけでなくスポーツ界全体の発展や子供たちの成長を強く願う、熱き想いを聞くことができた。

――今回、これまでの野球大会、野球教室に加えてリアル野球盤イベントを開催された理由とは。

「僕は野球選手で野球を職業として生活をしていますが、大きな枠組みで見るとプロスポーツ選手です。まずはスポーツ、体を動かすことに興味を持ってもらいたいと思っています。その中で野球にも興味を持ってもらいたいという気持ちも少なからずあります。そこで、野球経験者から未経験者までが、一緒になって楽しめることはないかなと考えるようになりました。そして、今の野球の楽しみ方とは違う切り口で野球を見つめた結果、子供たちの誰もが楽しめて、盛り上がれる。そんなイベントがあればいいなと思い、このイベントを開催する運びとなりました。

 今回のイベントをきっかけに、みんなで楽しむ、喜びを分かち合うことができれば、それは素晴らしい思い出になり、そしてある種の成功体験となってこれからの子供たちの成長に貢献できるのでは、と考えます。このリアル野球盤遊びには無限の可能性が秘められていると感じていますので、今回開催できたことは素晴らしいことで大変うれしく思っております」

今月3日に兵庫県で「第7回栗山巧杯」が開催された【写真提供:SEIBU Lions】

ライオンズ選手の応援歌に「僕も感激」

――リアル野球盤遊びを終えられてのご感想をお願いいたします。

「今回、リアル野球盤遊びに参加していない子供たち(イベント終了後の野球教室を待っている子供たち)もいましたがオーバーフェンスの際にはハイタッチに来てくれたり、子供たちの一打一打に盛り上がってくれたり。プレーしていなくてもゲームの様子に集中し、盛り上がれて楽しめるのも野球盤の魅力かなとも感じました。

 また、子供たち向けのイベントでしたが、応援団の方がサプライズで足を運んでくださり、ライオンズの選手の応援歌を演奏していただいた時は僕も感激しましたし、ラッパを吹いてくれた粋な行動にただただリスペクトです。それと同時に、子供たちを含めたほぼ全員がメヒアの応援歌のリズムに乗っていたことには驚きました!野球場の一体感の心地よさを感じるとともに、来年以降はもっと皆さんに楽しんでいただけるようなイベントにしなければと身が引き締まる思いです」

――最後に子供たちへのメッセージをお願いいたします。

「思いっきり毎日を楽しみましょう!」

 栗山は“じっくりと子どもたちと向き合って触れ合いたい”という理由から、オフシーズン期間にイベントを行い、シーズン中におけるファンへの感謝や子供たちへの願いをこのように体現している。プロ野球選手ができる仕事はグラウンドでのプレー以外にもある、そんなメッセージが栗山選手の活動を通じてしっかりと伝わってきた1日となった。

(Full-Count編集部)

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