大和特殊鋼、春日工場に鋼板加工集約 今井社長「歩留まり向上へ」

 大手ステンレス流通の大和特殊鋼(本社・大阪市西区、社長・今井隆氏)は、春日工場(兵庫県丹波市)の増設工事を完了させ、ステンレス鋼板の加工を同工場に集約した。増設部分に東大阪商品センター(大阪府東大阪市)からシャーリング4基を移設し、既設のプラズマおよびレーザー切断機(各3基ずつ)と合わせ、春日工場が同社の鋼板加工拠点となった。増設部分は11月中旬より本格稼働に入っている。総投資額は土地代を含め9億円。今井社長は「鋼板加工を集約することで、作業効率向上と残材の有効活用による歩留まり向上を図っていく」としている。

 今回の増設工事により、敷地は約1・5倍の1万3700平方メートル、工場面積は約1・8倍の7600平方メートルとなった。在庫能力も約1・8倍の1万トンとなり、今後の在庫拡充に備える。増設部分には、シャーリングのほか矯正機1基を東大阪商品センターから移設。クレーンや棟間台車を新設した。また屋根には太陽光発電パネルを設置し、発電量が従来比11倍の550KWとなった。人員は転勤も含め11人増員し、36人となった。

 東大阪商品センターは鋼板の加工設備がなくなったが、ユーザーニーズに合わせ6×1524×3048ミリ以下の定尺を引き続き在庫販売する。また設備移設に伴う空きスペースを活用し、安全を最優先したレイアウトを再構築していく。

 同社の春日工場は、第1期工事が1999年に竣工し、今回の増設工事が4期目。プラズマ、レーザー、シャーリングのほか、全自動帯鋸切断機と手動縦鋸切断機各2基の加工設備を設置している。

© 株式会社鉄鋼新聞社