ポルシェ、2018年ル・マン24時間は4台体制に。マコウィッキに代わりブルーニがWEC復帰

 2017年限りでLMP1での活動を終了したポルシェは、2018/19年のWEC世界耐久選手権ならびに2018年IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ(WSCC)におけるGTプログラムの参戦体制を発表し、両シリーズに参戦するポルシェ・ワークスドライバー、出場各車のラインアップを明らかにした。
 
 2017年シーズン、『911』伝統のリヤエンジン・リヤドライブからミッドシップレイアウトに変更した新型『911 RSR』を新たに投入し、2台体制でフェラーリ、ポルシェ、アストンマーチンという強豪ひしめくLM-GTEプロクラスに挑んだポルシェGTチーム。

 来季で参戦5年目を迎えるチームは2018/19年の“スーパーシーズン”に今季と同様の91号車ポルシェと92号車ポルシェ、2台体制でドライバーズ、マニュファクチャラーズというふたつの世界選手権タイトル、ならびにチーム耐久トロフィーの獲得を目指す。
 
 ドライバーラインアップについては、今季レギュラーシーズンを戦った4名のドライバーのうちフレデリック・マコウィッキを除く3名、91号車ポルシェをドライブしたリヒャルト・リエツ、92号車のミハエル・クリステンセン、ケビン・エストルが残留。

 マコウィッキが抜ける91号車ポルシェには、元フェラーリ・ワークスドライバーで3度のLM-GTEプロクラスチャンピオンに輝いているジャンマリア・ブルーニが収まることになる。

 ブルーニは2017年にフェラーリ陣営からポルシェに移籍したが、フェラーリとの契約による制約を受け、同年のWEC/ル・マン24時間レースには参戦できず。約半年間のガーデニング期間を設けた後、シーズン途中から北米のWSCCプログラムに参加していた。

■ル・マンウイナーのタンディ、バンバーがIMSA復帰へ

 WEC参戦体制と同時に発表された2018年WSCCプログラムでは、こちらも2017年シーズンと同様に911号車と912号車、2台のポルシェ911 RSRを走らせることをアナウンス。

 しかし、ドライバーラインアップは2台ともに変更され、パトリック・ピレ/ディルク・ウェルナーがドライブした911号車ポルシェは、ウェルナーに代わって今季のWECで1号車ポルシェ919ハイブリッドをドライブしたニック・タンディの加入が決定。

 デイトナ24時間やセブリング12時間、ワトキンスグレン6時間、プチ・ル・マンからなるNAECノースアメリカ・エンデュランス・カップで起用される第3ドライバーにはWECのレギュラーシートを失ったマコウィッキが指名された。

IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップに参戦する911号車、912号車ポルシェ911 RSR

 また、ローレンス・バンスールのチームメイトが流動的となっていた僚友912号車ポルシェについては、バンスールをそのままに新たなチームメイトとして2号車ポルシェ919ハイブリッドを駆り2017年ル・マン/WECチャンピオンとなったアール・バンバーを起用。

 NAECでは今シーズン、第6戦ワトキンスグレンから最終戦プチ・ル・マンまで912号車ポルシェをドライブしていたブルーニが助っ人に加わる。

■2018年ル・マンは4台体制に

 さらに、ポルシェは今回の発表のなかで、2018年のル・マン24時間に4台のポルシェ911 RSRを投入することをアナウンス。ポルシェにとってLM-GTEプロクラスに4台のワークスマシンをエントリーさせるのは2013年のワークス参戦以来初となる。

 これにより来季ル・マンにおけるLM-GTEプロクラスのエントリーは、BMWが新型GTEマシン『M8 GTE』を擁して参戦することを踏まえると例年以上のエントリー数となることは確実となる見通しで、その参戦台数は15台以上、17~18台程度になるものと考えられる。

 そんな激戦区を戦うポルシェ陣営ではWECレギュラー組の91号車ポルシェにマコウィッキ、92号車ポルシェにバンスールをそれぞれ第3ドライバーとして起用。

 また、スポット参戦組となる93号車ポルシェはバンバー/ピレ/タンディという北米選抜部隊ともいえる3名がタッグを組む。同じくスポット参戦する94号車ポルシェでは元LMP1ドライバーのティモ・ベルンハルトとロマン・デュマ、さらに今シーズン、スーパーGT300クラスでD’station Porscheをドライブしたスヴェン・ミューラーの名前がリストアップされている。

© 株式会社三栄