小田急ロマンスカー70000形GSE誕生……主要諸元表を見る

柏原美紀の鉄道リポート「小田急ロマンスカー70000形GSE誕生」連載最終回は、「70000形特急車両 主要諸元表」を見ながら。

70000形GSE のプロフィールをおもなデータを抜粋します―――

7両編成のうち、ちょうどまんなかの4両目、サハ70151は「モーターなしパンタグラフつき車両」。

4両目のサハ70151は、定員40人で、前後の車両よりも20人程度少ない設定。ここに多目的室や車販準備室、車内販売準備室があります。

車両の長さは、中間車が20mなのに対し、先頭車両は1.3m長い21.3m。

最高速度は110km/h、加速度は小田急線2.0km/h/s、箱根登山線2.4km/h/s。

保安装置は先頭車両にD-ATS-Pと、箱根登山線用のOM-ATS-P。

―――いかがでしたか? 「70000形特急車両 主要諸元表」を詳しく見たいという人は、画像をダウンロードして拡大しながらチェックを。後半には、この新型ロマンスカー70000形GSEのプロフィール、特徴1「快適性・利便性の向上」、特徴2「安全・安心のさらなる追求」、特徴3「環境性能の向上」などを記載しました。こちらもあわせてチェックしてみてください。

(鉄道チャンネルMC 柏原美紀)

小田急ロマンスカー70000形GSE プロフィール

開発コンセプト:箱根につづく時間(とき)を 優雅に走るロマンスカー
愛称:GSE=Graceful Super Express「優雅な特急」
塗色:ローズバーミリオン+ルージュボルドー
営業運転開始:2018年3月中旬
運用:新宿~箱根湯本 土休日3~4往復/平日2~3往復(モーニングウェイ・ホームウェイも)
編成:7両固定編成(ボギー車・編成長約142m)
編成定員:400名(全席指定)
製造両数:2編成14両
製造:日本車輌製造株式会社
デザイン設計:岡部憲明アーキテクチャーネットワーク

特徴1「快適性・利便性の向上」

◆展望車両(最前・後部車両)
「ロマンスカー」の象徴である展望席16席を両先頭車に設置します。また、座席上の荷棚をなくすことで、展望車両としてダイナミックな眺望と開放的な空間を創出。

◆車両側面の窓の高さを拡大
車両側面の窓の高さを、VSEやMSEよりも30cm高い100cmとして、流れ行く沿線の四季折々の風景を楽しめる。

◆フルアクティブサスペンション
左右方向の車両振動を低減する「電動油圧式フルアクティブサスペンション」を搭載することで乗り心地を向上。在来線量産車両としては、国内で初めて編成の全車両に搭載。

◆荷物収納スペース
4号車を除く各車両の出入り口デッキ部付近にラゲージスペースを設置。また、全車両の座席の下に、国内線機内持ち込みサイズ(55cm×40cm×25cm以内)の荷物が収納できるスペースを用意。

◆車内無料Wi-Fiシステム
インターネット接続環境の提供と、展望ライブ映像などが楽めるコンテンツを配信。

◆トイレ
電動車いすでも利用できるゆったりトイレを設置。トイレはすべて洋式で、すべて温水洗浄機能付き便座「ウォシュレット」に。

◆コンセント
各座席の肘掛部にコンセントを設置。

特徴2「安全・安心のさらなる追求」

◆防犯カメラ
出入り口デッキ部と客室内に設置し、乗務員室でリアルタイムに客室内の映像を確認できる。

◆バリアフリーに配慮したデザイン
案内用の点字の設置や改良型ハンドル形電動車いすの乗車対応(対応トイレ、乗車スペースの設置)など、ユニバーサルデザインに配慮した車内に。また、4号車の身体障害者対応座席は着脱式とし、座席を取り外した場合には3台の車いすで乗車できる。

◆多目的室
授乳時や不調時の休憩など、多目的に利用可能なスペースを設置。

◆異常挙動検知装置
車両の異常な動きを検知した場合に自動的に緊急停止させ、被害の拡大を防止。

◆編成滑走制御
雨天時など車両が滑走した場合に、滑走を低減させながら、編成全体で可能な限り制動力を維持。制動距離の短縮を図る機能を搭載。

特徴3「環境性能の向上」

◆省エネルギー化
SiC素子を用いたVVVF位ンバータ制御装置の搭載、LED照明の採用など、省エネルギー化を推進。

◆低騒音化
全密閉式主電動機のほか、コンプレッサーや空調装置、駆動装置等は低騒音タイプを搭載。

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