企業立地条例延長へ 横浜市、五輪見据え誘致後押し

 横浜市は12日の市会常任委員会で、来年3月末で期限を迎える企業立地促進条例の適用期間を延長する方針を明らかにした。2020年の東京五輪の市内開催などを好機と捉え、さらなる企業誘致を目指す。来年の第1回市会定例会に条例改正案を提出する予定。

 同条例は04年4月に制定。横浜・みなとみらい21(MM21)地区など9地域で、投下資本額などの一定条件を満たす事業所立地や工場建て替えなどを行う事業者に対し、市税の軽減や助成金交付の支援を行ってきた。

 3〜5年ごとに支援制度を見直しながら、今年11月末までに126件を認定し、同1月時点で市内で約3万3千人の雇用を創出。同条例で誘致した企業の固定資産税や都市計画税などの税収は、14年度にそれらの企業への支援額を超え、16年度までの累計では税収が約362億円と支援額(308億円)を54億円上回った。

 市経済局は、今後税収効果はさらに拡大すると見込んでおり、「五輪を見据えて企業誘致姿勢を国内外に発信し、投資意欲を後押しすることが重要」として、適用期間を延長する条例改正案を検討しているとした。

 条例改正案ではまちづくりの動きなどを踏まえて支援制度内容も改定する予定で、市庁舎移転を見据えた関内エリアへの企業誘致や研究開発拠点の集積などを目指す。

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