「サッカー」×「ゴルフ」の融合スポーツ、フットゴルフ。Golaco[ゴラッソ]では初代日本代表「オリジナル6」に該当する選手達の連載記事を掲載中。継続してフットゴルフを追いかけています。
12月10日(日)TBC太陽クラブ(栃木県小山市神鳥谷2247-3)にて、関東フットゴルフリーグ2017チャンピオンシップが実施されました。オリジナル6からは新井晋選手、コージャ今村選手、桑田寛之選手、鈴木秀成選手の4名が出場。
今回はオリジナル6の愛されムードメーカー鈴木秀成(すずきひでなり)選手に密着し、取材。フットゴルフ界トップクラスに君臨する鈴木選手のプレー動画もしっかり撮影してきました。記事内で掲載します。
写真左からオリジナル6桑田寛之選手、鈴木秀成選手、コージャ今村選手
関東フットゴルフリーグとは?
写真提供:関東フットゴルフリーグ
関東フットゴルフリーグは、日本フットゴルフ協会運営で日本代表の選考基準となるジャパンオープンとは別の枠組みです。
関東フットゴルフリーグは4名のフットゴルファー達によって運営されています。大会を通じてフットゴルフのルールやマナー等を学ぶことができ、ジャパンオープンに出場するためのステップアップの場として立ち上げられた大会です。また、海外のようにライブスコアシステムを採用する等、積極的に新しい試みを行っています。
日本代表の選考基準にならないとはいえ、日本代表の肩書を持つ選手達、そして初代日本代表になって以降、現役で活躍し続けているオリジナル6の選手達も出場していて、ハイレベルな戦いが繰り広げられています。
全9節。そして各節で優勝した選手達と年間ランキング上位の合計16名の選手達に出場権が与えられるチャンピオンシップという構成で展開されます。
年間ランキング上位の決定には、各選手が出場した節のうち成績の良い4節分が判断基準になります。優勝することを除いて、チャンピオンシップの出場権を得たいなら可能な限り多めに出場したほうが確率は高くなります。もちろんそこを意識せずに1節だけお試しで参加することも問題ありません。
選手主導の大会は関東フットゴルフリーグの他に関西フットゴルフリーグもあります。この2リーグで2016シーズンから地域チャンピオンシップが行われており、2017シーズンは日程が未定ですが(開催地は関東で確定)関東と関西でそれぞれ選抜選手を選出して、タイトルを争います。関東の選抜選手は年間ランキング上位と関東フットゴルフリーグ2017チャンピオンシップ上位から選出されます。
最終結果!優勝は唯一のプロフットゴルファー新井晋選手
写真提供:関東フットゴルフリーグ 優勝した新井晋選手(写真左)
関東フットゴルフリーグ2017チャンピオンシップで優勝を掴んだのは、オリジナル6の連載記事、第1回目を飾った日本唯一のプロフットゴルファー新井晋選手。
【オリジナル6連載:第1回目】日本初プロフットゴルファー新井晋選手
新井選手は繊細な距離感の把握や力加減の機微のセンスが非常に良く安定したプレーを展開。この日は低気温で霜が降り、ツルツルとボールが滑りやすくなっている場所もありました。プレーするうえで様々な計算が必要になるフットゴルフの選手達にとって、霜は魔物のような存在ですが、そこに屈せず実力と経験で乗り越えた新井選手が優勝を掴んだのは必然だったのかもしれません。
フットゴルフの場合は、1打、2打の差で勝負が決まることが多く、そのため同位タイで有名選手同士が並ぶことが珍しくありません。常に接戦といっても過言ではない中、勝負を決める強さは色々な面が必要になるかと思います。抜群の勝負強さを持つ、新井選手に今後も期待していきましょう。
全9節の終了により決定した関東フットゴルフリーグ2017の年間ランキングについては以下の通りです。
年間チャンピオンに輝いた小林隼人選手(写真右)
優勝 小林隼人選手(ジャパンオープンファイナル2017チャンピオン)
準優勝 新井晋選手(オリジナル6/日本唯一のプロフットゴルファー)
第3位 コージャ今村選手(オリジナル6)
2017シーズン年間ランキングは以下のURLでも確認可能です。
http://www.footgolfer.jp/tournaments/kantofootgolfleague/2017season/ranking
関東フットゴルフリーグは2018シーズンから「関東フットゴルフツアー」と名称が変更されます。それ以外に、年間ランキングを決定する大会数等のレギュレーションも変更となります。詳細については今後正式に発表される予定です。
メディアで取り上げられる機会が増え、Golaco[ゴラッソ]でも元なでしこの丸山桂里奈さんがコラムを掲載する等、広く浸透しつつあるフットゴルフ。今後新規の選手も増えていく見込みなので、これから始めるなら2018シーズンがベストタイミングといえるのではないでしょうか。
フットゴルフのオリジナル6鈴木秀成選手の組に密着
写真左から鈴木秀成選手、根元央希選手、内田健太選手、桑田寛之選手
今回、優勝という結果にはなりませんでしたが、オリジナル6の鈴木秀成選手に密着し、動画を撮影してきました。
フットゴルフは4人1組で回ります。通常は最初に決まった組で18ホールを全て回りますが、関東フットゴルフリーグ2017チャンピオンシップでは前半と後半で組み替えが行われました。
前半の組分けで鈴木選手と同じ組になったのは、鈴木選手と同じくオリジナル6であり、テレビ朝日で放送された「報道ステーション」のフットゴルフ特集に出演した桑田寛之選手。オリジナル6連載第2回目の田中雄太選手の記事に登場した現役大学生の内田健太選手。そして根元央希選手です。
後半の組み分けで鈴木選手と同じ組になったのは、オリジナル6連載第1回目で取り上げた日本唯一のプロフットゴルファー、そして今回優勝を掴んだ新井晋選手。ジャパンオープンファイナルの記事で登場した現役大学生の平野靖之選手。ジャパンオープンファイナルで優勝し記事内でインタビューが掲載、そして数日前にGolaco[ゴラッソ]で掲載された元なでしこの丸山桂里奈さんのコラムにも登場した小林隼人選手です。
フットゴルフの世界観
フットゴルフの基本はティーキック、アプローチキック、パットの三本柱です。(ゴルフ用語だとショットという表現になりますが、キックと記載します)どれを重視するかは選手によってバラバラですが、鈴木選手については特にティーキックのフォームが美しく、観る側の印象に残ります。身長は180cm。細身なのでパワー型という印象はありませんが、全体的に整っている選手です。
以下の動画は鈴木選手のセカンドキックです。フットゴルフでは、このようにボールを足で蹴ることでカップに近付けていきます。
サッカー経験者が有利になると思われやすいフットゴルフですが、サッカーとは違う考え方、戦略が求められます。障害物がないサッカー場とは違い、ゴルフ場には障害物や傾斜があります。
以下の動画だと分かりやすいですが、ボールを付けた位置によっては、木々の間等、障害物を確認せざるを得ない位置からリカバリーキックを行う必要があります。
木々の間を抜ける蹴り方。動画だと簡単にこなしているように見えますが、実際にこの状況に置かれると、次の手からカップまでのキック数と付ける位置を計算して、成功率が高まるやり方を考え、選択していく必要があります。
フットゴルフはフォローしてくれる仲間がいるチーム競技ではありません。選択による結果は全て自分の肩にのしかかるメンタル勝負なところがあります。先ほども触れましたが、1打2打の差で勝敗が決まることが多く、このような状況の切り抜け方が勝敗を左右することも珍しくありません。併せてプレッシャーも大きくなります。
キック何回でそこまで持っていけたかが勝負のポイントになりますが、その時点で満足できてもできなくても、勝負はまだ続きます。障害等も切り抜け、ボールをカップに近付けることができれば次はパットが待っています。繊細な力加減の誤差でも、カップのフチをボールが舐めるだけで入らないことが多いのがフットゴルフの難しさ。サッカー経験者であってもパットは最初に壁にぶつかることが多くなっています。
以下は鈴木選手のパット動画です。
難しい位置からきれいに入っています。鈴木選手に限らず、多くの選手がパットを行う前にカップの位置をチェックします。
しゃがんだり、うつ伏せになって確認したり、手を使ったり、選手によって方法は様々。この行動は通常のゴルフでは普通に行われるようなのですが、通常のゴルフ未経験の筆者は、何故選手達が熱心にそれを行うのか、初めはわかりませんでした。選手達に聞いてみたところ「これを取り入れないと距離を錯覚してしまう」と教えてくれました。
今回は鈴木選手のプレーを終始追いかけましたが、特定の選手を追いかけると、フットゴルフの世界観がより分かりやすくなります。思いっきりキックして前に進めるパワープレーができれば強いというわけでもなく、観ている分にも「難しそうだな」という感想が付き物です。
鈴木選手については、2月に掲載予定のオリジナル6連載第5回目で改めて密着します。今後も注目していきたいと思います。
鈴木選手の組、障害物として池等も登場します
鈴木選手に会える!インフォメーション
12月16日(土)川越運動公園陸上競技場で開催される、2017なでしこリーグ1部・2部入替戦「ちふれASエルフェン埼玉」VS「セレッソ大阪堺レディース」にて、フットゴルフの体験イベントが出店されます。内容は大会形式ではなく、パターゴルフのフットゴルフ版の予定です。サッカーの経験、年齢、性別を問わず楽しめる内容となっているので、近くの方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、今回密着したオリジナル6の鈴木選手はこちらのイベントに運営として参加予定です。世界を見てきたトッププレーヤー鈴木選手から直にキックの仕方を教えてもらうこともできます。鈴木選手は非常に物腰が柔らかく、優しさが際立っている選手なので、楽しい思い出になること必至です。
【フットゴルフ体験会】
日程:12月16日(土)
時間:10:30~
場所:川越運動公園陸上競技場
参加費:無料
フットゴルフがプレーできるTBC太陽クラブ
関東フットゴルフリーグ2017チャンピオンシップの会場となったTBC太陽クラブは大会会場として使用されるだけではなく、普段からフットゴルフをプレーできます。フットゴルフ用のカップが使用可能で、実際、フットゴルフを楽しむ一般グループの姿を多数確認することができます。
これからフットゴルフを始めてみたいけど、エンジョイ志向の大会でも、いきなり出場するのは迷うという方は、何名か集めてプライベートでプレーしてみてはいかがでしょうか。
筆者はいくつかフットゴルフの大会会場に足を運び18ホールを回りましたが、TBC太陽クラブは、その中でも特に初心者が回りやすいコースだと思います。体力面が心配という方や女性にもおすすめです。
TBC太陽クラブでフットゴルフをプレーする場合、かかる費用の目安は以下の通りです。
【平日】
9ホール:2,500円
18ホール:3,500円
【土日】
9ホール:3,500円
18ホール:5,000円
使用するサッカーボールは5号球が定番です。TBC太陽クラブでは、1,000円(税込)必要になりますがレンタルボールの用意もあります。
詳しい情報は、以下のTBC太陽クラブ公式HPから確認可能です。
仲間内でまずは気軽に9ホールからでも、試してみてはいかがでしょうか。
取材後記
日本フットゴルフ協会運営のジャパンオープンは2018年3月からシーズンが開始する予定です。筆者は2018シーズン、正式にライセンス登録をしてジャパンオープンに出場し、Golaco[ゴラッソ]で記事を掲載する予定です。これからフットゴルフを競技志向で始めたい方に向けて、登録や出場にあたって実際にかかった費用のリアルな面までレポートしていきます。
引き続きGolaco[ゴラッソ]ではオリジナル6の選手達の連載記事を掲載、そして様々な大会を追いかけて記事にしていきます。