《恵比寿》料理とワイン…究極のペアリングを堪能できるレストラン

軽く燻製にしたカナダ産の鴨、フォアグラとトリュフの組み合わせ ⓒYasufumi Suzuki

 レストランでコース料理をいただきながら、一皿一皿の味わいにマッチする個性をもったワインを楽しむのがワイン・ペアリング。5皿のコースであれば5種類のワインを合わせるので、異なる味わいのワインに出会えるというメリットがあります。

 さらに、ソムリエが個々の料理に合わせて、最良のワインを選んで薦めてくれるという楽しみもあります。

 つまり、必然的に良質なペアリングには、ワインに関する豊富な知識だけでなく、ソムリエはワインを合わせる料理の味わいにも精通していることが重要になります。

 完璧というか、究極的なワイン・ペアリングを堪能できるレストランが、恵比寿駅の東口から歩いて直ぐの距離にあるラ・ルレヴです。このワインのグラスとボトルに囲まれたゴージャスな空間で楽しむのは、シェフの長良一さんのつくる料理と、ソムリエの林洋介さんが選ぶワインの数々です。

ボトルとグラスに囲まれたゴージャスな空間 ⓒYasufumi Suzuki

 長シェフは若かりし頃にベルギーのフランダース地方、ブルージュにあるミシュラン三つ星のレストラン「ドゥ・カルメリート」で働き、フランス料理の根幹を体得した経験をもち、ソムリエの林さんは夜はラ・ルレヴで働きながら、昼はアカデミー・デュ・ヴァンでワインの講師を務めています。

 素晴らしい経歴をもった2人ですが、このラ・ルレヴでのペアリングを究極的なものにしているのは、必ずしも長シェフの優れた調理技術や、林さんの豊かな知識ではありません。それは寡黙なシェフと情熱的なソムリエの信頼関係であり、2人の異なるキャラクターが醸し出すケミストリーです。

寡黙なシェフ(右)と情熱的なソムリエ ⓒYasufumi Suzuki

 いつの日か「一日一本ずつ美味しいワインを飲めるような豊かな生活をしたい」と語るシェフの長良一さんと、「長シェフのつくる料理が大好き」と語るソムリエの林洋介さんの関係は、ラ・ルレヴが恵比寿でオープンする何年も前、まだ日本ではワイン・ペアリングという言葉が使われていなかったころ、古き良き花街の風情を残す向島にあった「葡萄亭」というフレンチらしからぬ名のレストランでシェフとソムリエとして働いていた時にまで遡ります。

 東京には星の数ほどレストランがあり、ペアリングという言葉を宣伝文句にするレストランも増え続けていますが、技術や知識だけに頼ったペアリングではなく、長い年月をかけて築いたソムリエとシェフの信頼関係を基にしたペアリングを堪能できるレストランは多くありません。

 もしもフランス料理とワインが好きなら、恵比寿のラ・ルレヴで料理とワインが織り成す、味わいあるケミストリーを堪能してみてはどうでしょうか。

ラ ルレヴ

渋谷区恵比寿1ー11ー5 7F

03-6432-5738

http://www.eatpia.com/restaurant/La-Releve-Ebisu-French

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