日鉄住金ドラム・大阪と相模原工場、「TPM優秀賞カテゴリーA」受賞 史上最速、千葉・名古屋と並び、受審から2年で

 日本プラントメンテナンス協会は13日、東京・品川の東京コンファレンスセンター品川でTPM賞の表彰式を開催し、日鉄住金ドラム(社長・藤井清澄氏)の大阪(大阪府泉大津市)、相模原(相模原市緑区)両工場が2017年度のTPM優秀賞カテゴリーAを受賞した。通常3年の活動期間を経て受審するのに対し、両工場は昨年度の千葉(千葉県市原市)、名古屋(愛知県東海市)の2工場に続く史上最速の2年での受賞となった。

 優秀賞カテゴリーAをめぐっては、日鉄住金ドラムの2工場をはじめ全国で12事業所を選出。表彰式では日鉄住金ドラムから高梨敏之参与大阪工場長と紅谷徹相模原工場長が登壇し、記念の楯を受け取った。続く記念講演では島田政則取締役常務執行役員がTPM活動の方針や特徴について、実際の取り組みや成果を交えながら説明した。

 日鉄住金ドラムのTPM活動は、14年から15年にかけて各工場で始まって以来進化を遂げる。「全社・全員参加」を基本に据え、伝統的なTPMとトヨタ生産方式(TPS)が融合したアドバンスドTPMの手法を導入。「徹底したロスの削減」と「リードタイムの極限追求」の実現を通じた抜本的な「人と設備の体質改善」(同社)に臨む。

 整備技能やシーケンス制御といった設備保全に主眼を置く各種講座を設置するのはその一例。これまで培ってきた技能を円滑かつ効率的に次世代へ伝達するとともに、各工場で独自にもつノウハウを水平展開するなど人材育成に生かす。

 技能伝達に向けてはトレーナー制度を導入し、受講者が所属先のオペレーターを指導する仕組みを構築。伝熱工学や自動制御など保有技術の勉強会も企画している。

 生産現場では技能伝達の成果が着実に出現する。2つの保全の連携による「分解保全」が定着、機械の社内整備化が加速度的に進む。設備の総合効率や故障件数といった各種指数は、基準年度に対して目標値を大幅に上回る水準で改善する。

 昨年度優秀賞カテゴリーAを受賞した千葉、名古屋工場は優秀賞の継続がキックオフしており、今後は大阪、相模原の両工場も同様に新たなステージに移行する。子会社の山陽ドラム缶工業は来春にも同賞の一次審査を受ける予定だ。

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