遊びだけど本気…W不倫の先に「幸せ」はありますか?

今や「不倫」はめずらしくない時代になりました。しかし、人前で堂々と話せる恋愛ではなく、一人でモヤモヤと過ごしている人がとても多いのです。

誰にも言えない「既婚者同士の恋愛」

ここ数年、恋愛相談に来る方で最も多い悩みが「不倫」です。既婚者を好きになるということが、一般的には良くないという見られ方をする一方で、「不倫は文化」と言われているほど、既婚者を好きになる恋愛がある程度オープンになっている時代。

おそらく、世の中には、「肯定はしていないまでも、”好き”という感情を抑えることはできないということはある」という擁護派と、「絶対に許されないものであり、モラルの問題だ!」……という断固反対派の意見があります。

不倫、つまり「既婚者を好きになるということ」は、今の時代に限ったことではない反面、逆に今でも「私、不倫しています!」なんて堂々という人はあまりいません。大昔から人の心の移り変わりは変わっていないのでしょう。こうして「文化」とも言われる時代になったということは、新しもの好きな人間の考え方が「不倫」という恋愛を表に出し始めたのかもしれません。

一般的に「不倫」と言われる恋愛にも、いくつかのパターンがあります。

1. 既婚者同士

2. 男性が既婚者で女性が独身

3. 女性が既婚者で男性が独身

4. 男性が既婚者で女性がバツイチ

5. 女性が既婚者で男性がバツイチ

どのパターンも人には相談できずに一人で悩みを抱えている、とても辛くて苦しいもの。なかでも両方が既婚者同士の場合は、より問題が複雑化します。そこで「既婚者同士の恋愛」という内容について考えてみました。

既婚者同士の恋愛が始まるのは何故?

人には色々な事情があります。たとえラブラブで結婚したはずの夫婦であっても、人にはわからない悩みやトラブルがあるものです。一緒に生活をしていると、ただ「好き」「愛している」だけでは難しい問題が山積みになります。

お互いの気持ちよりも生活の悩みの方が大きくなってくると、いつの間にか二人の気持ちのズレが発生してしまうのです。そうした問題にぶつかったときに「一緒に解決して頑張っていこう!」と思える夫婦たくさんいる一方で、「もう無理」「やっていく自信がない」と思う夫婦もたくさんいます。そういったときに、夫婦の信頼関係や寄り添う気持ちを発揮できるかどうかがポイントになるようです。

また、中には何となく外の世界が見たくなり、家族以外の人と接して心の刺激がほしい……つまり、自分を「一人の男性」「一人の女性」として見てほしいという感情が生まれる人もいます。自分次第で心に栄養を取り入れる方法はほかにもあると思いますが、その方法の一つとして「恋愛」を選択する人もとても多いようです。

逆に考えると、平和な夫婦生活をしているからこそ、心の刺激を感じることが少なくなる訳ですから、それだけ家庭が円満ということであり、とても素晴らしいご夫婦だとも言えます。家庭が幸せだからこそ心のゆとりがあり、色々なことに興味・関心を持つタイプの人は、少々退屈を感じてくるのかもしれません。

「遊びだけど本気」という不思議な恋心

「遊び」と「本気」の区別がわかりやすいようで判断しにくいのが「既婚者同士」の不倫。私が受けているご相談の中で、このような言葉がよく出てきます。

「遊びだけど本気です」

頭の中では「イケナイ恋愛をしている」という意識はあるけれど、心は好きという気持ちを抑えることが出来ないでいる状態です。

よく受けるご相談は、

「彼の気持ちがどこまで本気なのでしょうか?」

「将来、私と結婚してくれる気持ちはあるのでしょうか?」

「私と彼は、このままずっと一緒にいられるのでしょうか?」

――このような内容のものが、95%以上を占めています。とても複雑で、このお悩みを解決することはとても難しく、お互いに本心を聞いて良いのか悪いのか、判断をすることも難しいようです。

本当に離婚したい? ヤケになっているだけ?

お互いに結婚しているのに、他の人に恋愛感情が湧くってとても不思議ですよね。そして、今ある家庭を壊してまで、「彼と一緒に生きていきたい」と本気で思っているのでしょうか。

皆さんは実際にどう思っているのでしょう。自分への気持ちはもちろん本気であってほしい反面、自分としては離婚して今の生活を全て変えるほどの気持ちは固まらず、とても不安定な状況の人が多いようです。家庭の事情も様々ですし、気持ちはあっても行動はなかなか沿うことが出来ない現状もありますね。

本当の愛、本当の幸せについて考えてみましょう

既婚者同士の恋愛相談を聞く中でわかったことがあります。

不倫は「思うようにならないからこそ、執着したくなり、気持ちがどんどん大きくなっていくのだ」ということ。

決していい加減に恋愛しているわけではなく、結婚しているけれど心は真剣に向き合っています。話していると、「自分を信じてほしい」という熱意も伝わってきます。

でも、それを人前で堂々と話すことは出来ないので、モヤモヤした気持ちが妄想や苦しみに変わってしまうのかもしれません。苦しみや痛みを伴う恋愛ではあるけれど、人を好きになるという気持ちはとても純粋なのかもしれません。

恋愛には様々な形があり、何が良いとか悪いとか、どれが基本形というものはありません。人それぞれの考え方によって良いか悪いかという見方も違いますね。どのような恋愛にも共通して言えることは、自分が幸せだと思えるかどうか、今の自分は納得できる状況であるかどうか。

いつでも基準は「自分の心」です。迷った時には自分の心に問いかけてみてください。

「私は、幸せですか?」

もしも、少しでもモヤモヤしていて「本当はこうではない」と思っている場合には、自分がどうすれば幸せだと思えるのかを、もう一度ゆっくりと見つめ直してみることをお勧めします。どうか皆様が、本当の幸せを手に入れられますように。

(文:石橋 和美)

© 株式会社オールアバウト