「共生」違い認め合う ガーナ出身の矢野さんが体験講演

 それぞれの違いを認め合って共存していく「多文化共生」をテーマにした講演会が14日、関東学院大学(横浜市金沢区)で開かれた。日本人の父とガーナ人の母を持つミュージシャンの矢野デイビットさん(36)が、生い立ちや現在行っている国際協力活動について語った。

 矢野さんはガーナ生まれ。6歳の時に自宅が強盗被害に遭い、危険を避けるため家族で日本に移った。その後、両親が別居したことから8歳から18歳まで児童養護施設で育った。

 25歳の時にガーナで物乞いをする少年に出会い、「彼の存在は自分には関係のないことだと言えないと思い、人生が変わった」と矢野さん。帰国後、一方的に支援するのではなく、現地の人と考えながら学校を建てるなどの国際協力活動を始めた。

 矢野さんは「ガーナから『人と違っていい』と、多様に生きることを学んだ。人と人が違うことを受け入れる社会は素晴らしい」と熱弁。大人が行動することで、「人の役に立ちたいと考える子どもを育てたい」と語り、「信じたり、行動したりするには勇気が必要。いろいろな人の勇気があって今の自分がある。学び合うことで、人生は豊かになる」と締めくくった。

 講演会では、矢野さんと同大教員によるトークセッションも行われた。

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