ノリ作りノリノリ 殿町小4年生が伝統の製法挑戦

 地元で盛んだったノリ作りに挑戦する「海苔(のり)付け体験学習」が14日、川崎市川崎区殿町の市立殿町小学校で行われた。4年生86人が、地元の“海苔名人”に教わりながら、冷たい水からすくったノリを型枠に流し込んでいった。

 同校がある多摩川河口付近の臨海部では1970年ごろまでノリの養殖が行われていた。地域の伝統的な産業を学ぼうと、85年から毎年、ノリを収穫する冬に体験学習が行われている。

 指導したのは、農業の副業としてノリを作っていたという相澤亨さん(88)をはじめ地元で従事していたお年寄りら8人。同校に保存されている、棒の先に刃が6本付いている突き包丁などを使って、児童たちは生ノリを細かく切断。水でとき、重箱ですくって木の枠に流し込み、「海苔簀(す)」に貼り付けて縦21センチ、横19センチのノリを作り、校庭で天日干しした。

 田中瑛斗(あきと)君(10)は、「突き包丁で切るのが楽しかった。こうやって、この辺でノリが作られていたのだなと思った。完成したらおにぎりにして食べたい」と話していた。

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