災害対応向け「ドローン基地局」を活用した通信手段確保の実証実験
「ドローン基地局」の実証実験は、2017年12月14日に鹿児島県熊毛郡屋久島町で行われた。「ドローン基地局」は、小型・軽量化した携帯電話基地局システムを搭載し、災害時に陸上や海上からの携帯電話サービスの提供が困難な状況においても、上空から対象エリア内における一時的な携帯電話サービスを提供する。また、地上に設置する携帯電話基地局システムと連携できない状況においても、同システムの端末の移動管理機能により、携帯電話から発信される電波を補足することで対象エリア内の在圏状況が確認できるため、災害時の救助要請や捜索活動にも効果が期待できる。
【実証実験の概要】
・ドローンの機体に簡易版の携帯電話基地局システム (無線設備・モバイルコア設備) を搭載したドローン基地局を構成。
・本携帯電話基地局システムについて、ドローン搭載、携行可能な携帯電話基地局システムとするため、小型化・軽量化 (約3kg)。
・本システムの特徴の一つは、モバイルコア設備を有していること。車載型基地局車などが到達できない地域においても、ドローン単独で携帯電話のエリアを構築し、携帯電話の一部の機能の提供が可能。
・今回の実験では以下機能の提供可否について実証実験を行った。
外部通信路がない状態における次の内容
ドローン基地局単独飛行による携帯電話サービスの提供
端末台数の把握
情報の一斉配信
外部通信路がある状態での被災地エリア外への通信など
KDDIでは、今後も上空における携帯電話基地局の実用化に向けて、各地で実験試験局の免許を取得し、災害発生を想定した実証実験を実施していく。