テナリス、米国テキサス州に継目無管の新工場竣工 年産60万トン、シェール開発向け

 油井管、ラインパイプなどエネルギー向けの世界的鋼管メーカー企業群であるテナリスは現地時間の11日、米テキサス州マタゴルダ郡ベイシティで建設中だった継目無(シームレス)鋼管ミルの竣工式を行った。リック・ペリー米エネルギー省長官やテキサス州のグレック・アボット知事など連邦政府や州・地方政府関係者、社員らが出席した。

 挨拶でテナリスのパオロ・ロッカ会長兼CEOは「テナリス・ベイシティは米国製造業に対する当社のコミットメントを象徴している。石油・ガス業界に競争力のある商品・サービスを提供。世界最先端の技術を持つ同工場は、米国市場に特化した当社の国内生産、サービスネットワークをけん引していく」とコメントした。

 ベイシティ工場は主要なシェール開発が行われている地域に立地。総投資額は約18億米ドルで、本稼働後の年間生産能力は60万トン。生産されたOCTGは、リグに直接出荷されるほか、ベイシティやフリーポート、ミッドランド、オクラホマにある同社サービス拠点に在庫される。高い安全・衛生・環境上の最高水準を順守した高品質商品・サービスと専門ノウハウを直接リグに提供する「リグ・ダイレクト」サービス機能により、現地でシェールオイル・ガス開発向け油井管(OCTG)需要に対応する。

 テナリスはベイシティ工場の建設にあたり地域社会への投資も実施。学生約30人に奨学金を提供。ワートン・ジュニア大学と提携し製造技術プログラムを開発するなど、これまでに総額180万ドル近くを地元マタゴルダ郡の教育に投じている。

 「地域社会と成長することで、我々が実施している産業プロジェクトは強さを増すことができる。当社が操業を行う各地域で実施してきたことだ」とロッカ会長は語っている。

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