日本マテリアル、中国マグネ大手と提携 焼成ドロマイトを国内販売

 鉄鋼用精錬材の専門商社・日本マテリアル(JMC、本社・大阪市淀川区、社長・岩見暁氏)は、世界最大のマグネシウム(Mg)メーカーの一つである・南京雲海特殊金属(RSM)と12月1日付で事業提携した。全世界のマグネシウム合金需要は年間約40万トンと推定されているが、RSMはその内で同約12万トン生産しているマグネ業界の巨人。事業提携ではJMCが南京雲海の日本総代理店になる。

 JMCの子会社STU(岡山県総社市、社長・岩見暁氏)はMg合金を開発・生産している。「今回の事業提携を機に、STUの新たなMg合金をRSMのチャンネル通じ全世界に販売することを検討している。一方、RSMが持つ焼成ドロマイトを日本市場で販売する予定」(岩見社長)。

 事業提携ではJMCの中国・安徽省の永好工場に対して、RSMから原料の提供を受ける。永好工場では世界初のカーボン入りMg合金(呼称UHMg)と汎用Mg合金を生産している。

 焼成ドロマイトをRSMから購入し、日本市場で販売する。現在、中国では環境規制で多くの鉱産物の供給ソースが危機的状況にある。その中でRSMでは焼成ドロマイトを高品質で安定的に生産している。日本のユーザーにとって安心できるソースだという。

 JMCは1985年の設立で、Mg事業部および商社活動が主体の精錬材(フラックス)事業部を持つ。Mg事業部はメーカー化を目指し、Mg合金再生事業(土岐工場・岐阜県土岐市、月産能力200トン)、子会社(STU、Mgチップ月産能力300トン)、Mg合金新塊生産事業(中国安徽省、永好新材料)を展開している。

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