着ぶくれしない!冬の「ワイドパンツ」コーデ術

ボリューム感のあるボトムスは着ぶくれしがち……上手なコーディネートを素材やシルエットなどタイプ別にマスターしましょう。

ワイドパンツで着ぶくれしない、アウターで好バランス

ゆるやかなシルエットのワイドパンツはフェミニンでのどかな雰囲気を醸し出してくれます。そんなワイドパンツは冬も重宝すること請け合い。でも、春夏と違って気をつけたいのがアウターとのバランスです。ボリューム感のあるボトムスだからこそ、全体がかさばって見えないように意識して。

アウターを生かしつつ、着ぶくれをブロックするコーディネート術を素材やシルエットなどタイプ別にマスターしましょう。

異素材ミックスで軽やかに見せる

白パンツで冬コーデをさわやかに(c)Rie Miyata
デニムでヌケ感ある大人カジュアル(c)Rie Miyata

ワイドパンツの色や素材を、アウターとずらすことによって、着姿にメリハリを出せます。冬場にありがちなのは、寒いからといって上から下まで厚手素材で覆ってしまうこと。着ぶくれ状態で、だぼついて見えやすくなります。

そこで、あえて白のコットンパンツやインディゴブルーのジーンズなど、春夏をイメージするような素材のボトムスを選べば、冬アウターとの違いが際立って、かさばり感を抑え込み、軽やかな着姿に見えます。パンツのお供はタイツやブーツで防寒対策をお忘れなく。レースやチュールなどのスカートにも同様の効果が得られるのでお試しあれ。

ファーと掛け合わせてボリュームダウン

首巻きスカーフと肩掛けファーストールで視線アップ(c)Rie Miyata
冬の装いを格上げしてくれるホワイトコーデ(c)Rie Miyata

量感の豊かなワイドパンツに、さらにボリュームが印象的なファー物を重ねるという上乗せの発想がもたつかない着こなしに導いてくれます。二の腕の高さにファーストールを巻いたのは、視線を引き上げる絶妙のアイデア。ファー部分に立体感が出るので、ワイドパンツの流れ落ちるシルエットが際立ち、スラリとして見えます。

ワイドパンツにはショート丈のアウターを合わせがちですが、着丈が長めの白いファーのコートを羽織ったのは、ニューヨークの老舗百貨店「バーグドルフ・グッドマン」の名物バイヤー、リンダ・ファーゴさん。ボリュームのあるコートを羽織ることでワイドパンツのボリュームが抑えられました。目の錯覚を生かして、すっきりと見せるテクニックは参考になります。

コート前開けで「Aライン」を意識

コート前開けにワイドパンツが好バランス(c)Rie Miyata
赤のワンドパンツに黒レザーが映える(c)Rie Miyata

全体が膨らんで見えないよう、シルエットに動きを付けていきましょう。スタイリングの狙い目は三角形を描く「Aライン」のシルエット。そこで、ワイドパンツに合わせるアウターの前を開ければ、手っ取り早く軽やかにすっきり見せられます。

ダッフルコートの前をさらりと開ければ、大人かわいいムードに。ボーダーのタートルネックとチェック柄パンツとのマリアージュも魅力的に見えます。一方、レザージャケットは引き締まった質感も加わってさらにシャープな着映え。上下で量感が違うと、メリハリのある着姿に。歩くたびに揺らめくパンツ裾で装いにリズムが生まれます。

ライン入り×チェスターでスッキリ魅せ

トラックパンツとチェスターでミックスコーデ(c)Rie Miyata
ジェンダーレスな着こなしが新鮮(c)Rie Miyata

ワイドパンツ自体で工夫する方法もあります。たとえば、両サイドに縦ラインが走るトラックパンツなら、脚がほっそり見えます。スポーティーなムードもまとえるから、重たく見えがちな冬ルックが軽快に仕上がります。

スポーティーな印象のトラックパンツには、ブルゾンやダウン、モッズなどのカジュアルなアウターで合わせるのが一般的です。しかし、あえてシルエットが細身で着丈が長めのきりっとしたチェスターコートを合わせれば、テイストミックスが効いた新鮮なスタイルに。さらに縦落ちイメージが加わって、スレンダー感を引き出せます。

ワイドパンツ本来の「太さ」から目をそらす

内側にタイツ類を重ねばきしやすいから、ワイドパンツは防寒面でも頼もしい存在。羽織り物とのコンビネーションを上手に効かせれば、大人っぽさと細感をダブルで強調できます。

コーデのコツはワイドパンツ本来の「太さ」から目をそらすところ。アウターで膨らみを抑えたり、小物で視線を誘ったりといったテクニックが役に立ちます。厚底の靴を履いたり、マフラーを長く垂らしたりといった小技も縦長イメージを増幅してくれるから、賢く組み合わせてみましょう。

(文:宮田 理江)

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