豪州SC:ポルシェワークスのアール・バンバーがRBRAのエンデューロ登録に

 ポルシェのワークス契約ドライバーを務めるアール・バンバーが、2018年のVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカー参戦に向け、チャンピオンチームであるレッドブル・レーシング・オーストラリア、トリプルエイト・レースエンジニアリングと契約。2016年王者シェーン-ヴァン・ギズバーゲン(SVG)とペアを組むこととなった。

 2017年のWEC世界耐久選手権ではティモ・ベルンハルト、ブレンドン・ハートレーとのトリオでル・マン24時間を制した27歳のニュージーランド人は、新たに自らのルーツとなるオセアニア最高峰のツーリングカー・シリーズに挑戦することを明かした。

「正直に言って、バサースト1000への出場やオーストラリアでコドライバーとしてレースをすることは、長年僕自身のレーダーにずっと掛かっていたことなんだ」とバンバー。

 彼の言うコドライバーとは、VASCのシリーズ戦でイベント名に『500』以上の名称が付く長距離レースのうち4戦(サンダウン500、バサースト1000、ゴールドコースト600のみ300kmを2ヒート)にのみ、耐久カップのポイントが授与される『エンデューロ・カップ』の制度が設けられており、そのセカンド登録ドライバーのことを指す。

 その『エンデューロ・カップ』に向け、例年各陣営とも1台のマシンに2ドライバー体制の『助っ人』起用を行うドライバーを登録するのだが、チャンピオンチームであるレッドブル・ホールデンは、タイトル獲得経験者の相棒として現役のル・マン・ウイナーを迎えるという、シリーズにとっても大型契約と呼べるサプライズとなった。

「ポルシェは、僕が昔からそれをやりたがっていることを知っていた。2018年は過去3~4年を振り返っても初めてカレンダーの衝突がない日程になったんだ。だから2018年の可能性に気がついてからすぐに、僕はいくつかのリサーチを始めたんだ」とバンバー。

「シェーン(SVG)は僕の昔からの友人だし、何回かテキストメッセージのやり取りを交わして、すべてはそこから始まっていったんだ」

 2018年はVASCにとっても過渡期となり、これまで慣れ親しんだ5リッターV8自然吸気のOHVエンジンだけでなく、V型6気筒や直列4気筒の過給ダウンサイジングターボを受け入れるほか、共通パイプフレームのシャシーに架装するボディシェルも、4ドアサルーンのみでなく、2ドア、5ドアが認められるGen2(Next-Gen)規定へと移行する。

 それに備え、GMホールデンのファクトリー指定チームであるトリプルエイト・レースエンジニアリングは、北米でキャデラック・レーシングが使用していた3.6リッターのV6直噴ターボをVASC向けに仕立て直し“ワイルドカード”として数戦に投入する計画を立てており、マシンもオールブランニューとなる5ドアの『ホールデン・コモドアZB』にスイッチする予定となっている。

「このカテゴリーは本当にクールなんだ。僕は世界のどこにいても、すべてのレースを見るようにしている。ライブで見れないときはソーシャルメディアを遮断して、遅れてストリーミングを“ライブ視聴”するんだ。何が起こったかを知ることがないようにしてね(笑)」

 2017年はドライバーズランキングで4位、マット・キャンベルと組んだエンデューロ・カップでも4位に終わったSVGは、新たにル・マン王者とのペアでタイトル奪還と耐久カップのタイトル獲得も狙うシーズンとなる。

「マティー(・キャンベル)はとてもいい仕事をしていたので、彼と変わってシェーンと組むのはとても大きな挑戦だ。エンデューロ・カップを迎えるシーズン後半まで、彼とチームは間違いなく、例年どおりタイトル争いに絡んでくるだろう。シェーンとチームから学ぶことは山ほどあるし、僕の成長曲線も大きなものになる。マシンのコクピットに座って、仕事を始めるのが待ちきれない気分だね!」

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