島鉄 臨時株主総会 1月16日新体制 永井氏(長崎自動車)新社長へ

 島原鉄道(島原市)は15日、同市で臨時株主総会を開き、長崎自動車(長崎市)による子会社化が承認された。来年1月16日に子会社化し役員も刷新。新社長には長崎自動車の永井和久常務取締役が就く予定。

 島鉄は、長崎自動車と官民ファンドの地域経済活性化支援機構(REVIC、東京)を引受先とする総額1億8千万円の第三者割当増資を実施し、長崎自動車とREVICで議決権割合を合わせて90%超とする。

 取締役は12人から9人へ減らす。本田哲士社長や島原、諫早、雲仙の3市長ら現在の12人は全員退任。新たに長崎自動車から5人、REVICから2人を迎え、島鉄の2人があらためて就任する。社長を含めたそれぞれの役位は1月16日の取締役会で正式決定する。

 島鉄は島原半島で鉄道や路線バス、フェリーなどを展開。1990年からの雲仙・普賢岳噴火災害や人口減少で経営環境は悪化し、累積損失が7億5千万円に上るなど単独での事業継続が困難になっていた。REVICに支援を申し込み、長崎自動車のスポンサー就任や、金融機関による債権の一部放棄を取り付けた。

 株主総会後に島原市で記者会見した本田社長は「新体制まで1カ月。新しい経営方針に沿って全面的に必要なことに取り組む」、永井氏は「従業員と共にいろんなアイデアを出して挑戦し、再生したい」と語った。

 永井氏のほか、新たな取締役に選任された8人は次の通り。(敬称略)

 山中剛(長崎自動車総務部付部長新規プロジェクト担当)嶋崎真英(同社代表取締役社長)脇山信人(同社執行役員自動車部長)森田誠(同社執行役員不動産事業部長)上杉徹也(地域経済活性化支援機構)吉田健太郎(同社)陶山幸造(島原鉄道取締役子会社担当)吉田祐慶(同社取締役営業部長)

島鉄再生に向けての経営方針などを語る永井氏(右)と本田氏=島原市弁天町、ホテル南風楼

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