住民税通知の書面、マイナンバー記載せず 与党税制改正大綱

 自民、公明両党がまとめた2018年度の与党税制改正大綱で、個人住民税額の税額決定通知を書面で送付する場合は「当面、マイナンバー(個人番号)の記載を行わないこととする」と決定されていたことが15日、分かった。総務省はこれまでマイナンバーを記載するよう全国自治体に求めてきたが、同省によると、政府として決めた際は大綱に基づいて記載しないよう通知するという。

 通知書は、毎年5月末までに市町村が個人住民税額を企業と従業員に送付する「特別徴収税額の決定通知書(事業者用)」。同省は15年10月に地方税法施行規則の一部を改正する省令を公布。昨年11月から今年5月までに計6回通知を出し、本年度から通知書にマイナンバーを記載するよう求めていた。

 14日発表の与党税制改正大綱は、書面で送付する場合は当面、マイナンバーの記載を行わないこととし、来年度以降から適用する、としている。そのため、同省市町村税課は「政府決定がなされた際は大綱に基づき、法令や省令の改正といった措置を取り、全国の自治体に通知する」とした。

 マイナンバー記載を巡っては、各自治体の対応が分かれており、神奈川県内では藤沢市や厚木市など4市町が、個人情報保護の態勢が整っていないことや、システム改修に時間がかかることなどを理由に本年度の記載を見送った。記載した6市1町では誤送付、漏えいが発生、一部企業からは記載しないよう求める声が上がっていた。

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