阿部ら2000安打、源田は史上4人目快挙 2017年に生まれた数々の記録たち

西武・源田壮亮【写真:上岡真里江】

2000安打達成の巨人阿部は50人目の通算2000試合出場も

 ソフトバンクが2年ぶり8度目の日本一に輝き、幕を閉じた2017年のプロ野球。世は寒さが厳しくなり、クリスマスムードも高まり、野球界はすっかりシーズンオフである。

 今季も長く険しい戦いを繰り広げる中で、選手たちは興奮や感動、時に笑いといった様々なものを我々に与えてくれた。球史に名を残す記録も、また、楽しみの1つである。そこで、今季達成された記録を回顧し、2017年のシーズンを振り返ってみよう。

 まずは打者の個人記録編だ。

 通算記録では、3選手が達成した偉大な記録に触れないわけにはいかない。名球会の入会資格となっている通算2000本安打。今季は中日の荒木雅博内野手、巨人の阿部慎之助内野手、阪神の鳥谷敬内野手が達成(メッツの青木宣親外野手は日米通算2000安打を達成)。鳥谷で史上50人目の達成者となった。また、阿部は史上50人目となる通算2000試合出場にも到達した。

 阪神の福留孝介外野手は通算350二塁打を記録し、これは史上41人目。300二塁打はオリックスの中島宏之内野手、西武の栗山巧外野手が達成し、68、69人目の達成者となった。巨人の村田修一内野手(オフに自由契約に)と西武の中村剛也内野手は通算350本塁打に乗せ、史上29、30人目となった。

 通算250本塁打はロッテの井口資仁内野手(現監督)、福留が達成し、200本塁打には楽天の松井稼頭央外野手(オフに西武へ移籍)、ソフトバンクの松田宣浩内野手、ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手の3選手が到達。達成者は102人となった。

西武秋山の3年連続フルイニング出場はパタイ記録、源田の新人フルイニング出場は史上4人目

 広島の新井貴浩内野手と、巨人の阿部は通算3500塁打を達成し、これは29人目となった。阪神・糸井嘉男外野手は45人目の通算250盗塁、日本ハムの田中賢介内野手は74人目の200盗塁を達成。DeNAの田中浩康の通算300犠打は史上6人目、ソフトバンクの今宮健太内野手の250犠打は19人目だ。

 シーズンを通した記録でいうと、西武の秋山翔吾外野手が3年連続フルイニング出場を果たし、これはパ・リーグタイ記録。プロ野球記録は金本知憲(広島、阪神、現阪神監督)の10年連続である。秋山と同じ西武・源田壮亮は新人でフルイニング出場を果たし、これは2リーグ制となってから1956年の佐々木信也(高橋)、1958年の長嶋茂雄(巨人)、1961年の徳武定之(国鉄)に次いで史上4人目の快挙だ。

 巨人に今季から加わったケーシー・マギー内野手は48本の二塁打を放ったが、これは2006年の福留孝介(中日、現阪神)の47二塁打を抜くセ・リーグ新記録。プロ野球記録は2001年の谷佳知(オリックス)の52二塁打で、これには4本及ばなかった。

 連続記録に目を移すと、中日のアレックス・ゲレーロ内野手が放った6試合連続本塁打は史上14人目のこと。プロ野球記録は、これを更に上回り、1972年の王貞治(巨人、現ソフトバンク球団会長)、1986年のランディ・バース(阪神)の7試合連続である。日本ハムのブランドン・レアードが5月に放った4打数連続本塁打はプロ野球タイ記録で史上20人目21度目のことだった。

ヤクルト雄平の1試合4二塁打はプロ野球タイ記録

 2試合連続初回先頭打者本塁打は今季2人が達成しており、いずれも巨人の長野久義外野手、陽岱鋼外野手。長野が32人目38度目、陽岱鋼が33人39度目である。広島のサビエル・バティスタ外野手は初打席から2打席連続本塁打の離れ業を演じ、これは史上3人目。2打席ともが代打だったのは1984年の村上信一(阪急)以来2人目の偉業だった。

 ゲーム記録となると、5月7日のDeNA戦でヤクルトの雄平外野手が1試合4二塁打を放ち、これはプロ野球タイ記録で史上12人目(セ5人目)だった。4月2日のDeNA戦ではヤクルト鵜久森淳志外野手が代打サヨナラ満塁本塁打を放ち、史上16人目(セ10人目)。5月2日の西武戦でソフトバンク・甲斐拓也捕手、10月3日のヤクルト戦で巨人・山本泰寛内野手が満塁本塁打を放ったが、2人はこれがプロ初本塁打。プロ初本塁打が満塁本塁打だったのは、外国人を除き甲斐が58人目(パ19人目)、山本が59人目(セ24人目)だ。

 プロ初本塁打でいくと、巨人・宇佐見真吾捕手は8月18日のDeNA戦で放ったサヨナラ本塁打が初本塁打。初本塁打がサヨナラ弾となったのは、外国人を除いて史上32人目(セ17人目)。9月9日の楽天戦でオリックス・杉本裕太郎が放った初本塁打は初回先頭打者本塁打。これは外国人を除きプロ野球32人目(パ16人目)。10月3日の中日戦で、DeNAの細川成也はプロ初打席で本塁打を放ち、高卒新人の初打席本塁打は史上6人目だった。

(Full-Count編集部)

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