浮気は心の病気が原因だった!?「セックス依存症」とは

浮気は、された側が心の健康を損いますが、浮気した側にも「セックス依存症」のような心の病気が関与している可能性があります。

恋人でも配偶者でも、パートナーに絶対にして欲しくないことといったら、浮気でしょうか。自分の浮気は「浮気するのはモテる証拠」「退屈な毎日へのスパイス」と正当化してしまう人でも、自分がつきあっている相手には浮気してもらいたくないはずです。

性に寛容な現代社会では、浮気という行為への敷居が下がっている面もあるかもしれません。浮気問題はどんな人にも完全に他人事とはいえないのです。しかし、浮気はする方にもされた方にも心の問題が絡んでくることは、意外と考えられていません。

ここでは、浮気に関わる、さまざまな心の問題を述べたいと思います。まず、浮気が残す心への傷跡についてご説明します。

見てみぬふりも心のダメージに!

浮気はされた側にとっては本当に大変な事です。「裏切られた」「軽く見られている」と自己の尊厳は大きく傷つき、相手への不信は高まります。

「絶対、許せない!」「相手がその気ならこちらだって!」と相手に対しての怒りもわきやすいものですが、浮気が壊してしまうのは2人の関係ばかりではありません。心の健康も危険にさらしてしまうのです。

相手に浮気されてしまった場合、ショックで頭が真っ白になって、後で何をしていたか思い出せないほど心が解離してしまうのもよくあることのようですが、浮気はうつ病、飲酒問題などのきっかけにもなりやすく、また、その人にネガティブな思考、例えば、「男を決して信用してはいけない」といった考えを植え付けてしまいやすいのです。

2人の関係に波風を立てないよう見てみぬふりをするのもNG。浮気のショックを我慢して、じっと胸に秘めていると、心に大きなダメージを残してしまいます。どちらかと言うと、思い切り泣いたり、相手を罵ったりして、気持ちを吐き出した方が良いのです。

例えるなら、炭酸の缶ジュースと一緒。飲まずに持ち歩き、缶の中で炭酸ガスの圧力が増してしまうと、蓋を開けた途端に中の液体が噴き出してしまうことがあると思います。受けた心の傷が強ければ強いほど、心の中にしまっているうちに、心の傷の圧力が増してしまい、その結果、悪夢にうなされてしまうといったよくない症状が起こりえます。

万が一、浮気されてしまった場合は、自分の気持ちを心の中からできるだけ吐き出して、後に残らないようにしましょう!

浮気の衝動が制御できない……もしかして、セックス依存症?

そもそも、人は浮気に何を求めるのでしょう? 人が行動する際には、無意識のうちにでも何らかの報酬を求めるものです。

浮気によって得られる事としては、興奮、快楽、スリル、満足感、気分の高揚などがあげられます。また、人間には程度の差こそあれ、「流行を追いたい」「新しい事を試したい」という気質が備わっているので、その気質が浮気に至ってしまうこともあるかもしれません。

このように書くと、あたかもポジティブな動機のように聞こえますが、結局のところ、浮気をするのは不誠実、自己中心的、制御できない衝動持ちといった、ネガティブな要素は否定できません。その人の家庭、仕事、対人関係など、日常生活に大きな支障が生じている場合は、心の病気として浮気をしてしまっている可能性もあります。

・セックスに対する観念がその人の中心になっている

・冴えない気分を晴らす為、心の緊張を解く為の手段として、浮気を求めてしまう

・抑圧されている性的衝動を求めてしまう

・相手に対する誠実さが顕著に欠けている

・気分の高揚と共に性的な欲求が高まり、洞察力が低下しているので、普段の状態ならしないような事をしてしまう

・アルコールなど脳に作用する薬物の影響。「酔った勢いで口説いてしまった」など行動への抑制力が低下してしまう

特に、セックスに関する観念が頭を絶えず廻っている、浮気が心の緊張や冴えない気分を晴らす手段となっている場合はセックス依存症の可能性もあります。

セックス依存症では、セックスが生活の中心になってしまい、自分を変えようと試みても変える事ができず、健康、対人関係、家庭問題、法律に触れるような逸脱行為など深刻な問題が生じることもあり、精神科での治療が必要な症状です。また、パートナーへの不誠実さ、平気でウソをつけるといったことが顕著な場合は、人格的な問題も考えられます。

結局、浮気ゴコロはたとえ一時的であっても、それによって生じた結果はなかなか拭い去れないということです。浮気が壊してしまうものは2人の関係ばかりでなく、お互いの心の健康も危険にさらすことを覚えておいた方がよいかもしれません。

浮気はされた側だけでなく、する側の心の病気が関与している事があります。思い当たる方は是非、ご注意下さい。

(文:中嶋 泰憲)

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