若手作家深緑さんトーク 高校生が企画進行 横浜

 県内の高校生が若手作家の深緑野分(のわき)さん(34)を招いたトークイベントが16日、横浜市中区の神奈川近代文学館で開かれ、高校生ら約100人が参加した。

 同館と県高等学校文化連盟図書専門部の共催。若者世代に読書の魅力を知ってもらうことを目的に、同部所属の高校生らが企画だけでなく、イベントの準備や進行役を務めた。

 深緑さんは厚木市生まれで県立海老名高出身。2013年に作家として本格デビュー、17年度の神奈川文化賞未来賞を受賞した。

 深緑さんは「小さい時は夢見がちな子ども。高校時代は映画に興味があり、物語を考えるのが好きだった。作文は得意ではなかったが、海外文学を含めてさまざまなジャンルの本を読んできた」と作家になるまでの歩みを語った。

 これまでに感動した山本周五郎原作、黒沢明監督の映画「赤ひげ」や、桜庭一樹さんが書いた小説「少女には向かない職業」などを紹介。会場からは直木賞候補作となった著書「戦場のコックたち」に対する感想や、書き出しのこつなど創作法に助言を求める質問などが出された。

 司会を務めた県立茅ケ崎北陵高2年の新井康介さん(17)は「多くの質問が出てよかった。作家の日常生活などが聞けて、作品も身近に感じることができた」と話した。

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