コラボ商品、可能性探る 川崎、地域作業所が活動報告

 企業やレストランなどとのコラボレーションで商品づくりなどに取り組む障害者施設や地域作業所の事例報告会が17日、川崎市の多摩区役所で行われた。関係者ら約50人が参加し、多様な主体とつながることによる新たな可能性を探った。

 福田紀彦市長が市政に関する意見を区民から直接聞く車座集会として同市が主催。4事例の報告の後、意見を交わした。

 はっぴわーく(登戸)は、石井梨園(同)から販売規格に合わないナシを譲ってもらって始めたジャム製造を紹介。多摩川あゆ工房(中野島)は、地元のカリタス女子中学高校の生徒がオーダーメードの焼き菓子を文化祭で販売した取り組みを発表した。

 いっぽ舎(登戸)は、大手企業の贈答品としてアクセサリーが採用された事例を報告。はぐるま共同作業所(菅馬場)は、フレンチレストランのシェフを招いた料理サロンの取り組みについて話した。

 意見交換では「施設間で得意商品を融通しあって販売する方法もある」「四つの事例とも消費者を満足させられる商品。福祉を前面に出さずに、商品そのものの価値も大事」などとの意見が出た。

 福田市長は「知恵を持ち寄ると新しい価値が生まれる。こうした取り組みをもっと広げ、好循環につなげたい」と行政としての後押しに意欲を見せた。

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