民話を基に音楽紙芝居 横浜、高校生が幼稚園で披露

 県立金沢総合高校(横浜市金沢区富岡東)3年生が地域に伝わる民話を基にした音楽紙芝居を完成させ、18日、こすもす幼稚園(同)で披露した。地元・長昌寺に祭られる「芋神様」を題材にした「いも大明神」という作品で、音楽科を選択している5人がシナリオやイラスト、作曲を手掛けた。約200人の園児が楽しく聞き入る様子に、生徒たちは充実した表情を見せた。

 同校では10月下旬頃から準備を開始。「いも大明神」のほか「ライオンくんのトロンボーン」という音楽劇も作り上げ、この日のために練習に励んできた。

 「いも大明神」は、死んだヘビを手厚く葬ろうと池の脇に社を建てたところ、池の水で手や顔を洗った子どものはやり病が完治。池の周りには一年中イモがなっていることから「芋神様」と呼ばれ、今は長昌寺に祭られている−との内容。生徒たちは、ピアノの自作BGMに合わせて紹介した。

 「ライオンくん−」はみんなに怖がられていたライオンが、トロンボーンを吹いていたのをきっかけに友達ができていくストーリー。鍵盤ハーモニカなどの楽器演奏を交えた劇となった。最後は全員で「森のくまさん」を合唱した。

 終了後、「楽しかった」と笑顔の園児たち。生徒の一人(18)は「(紙芝居は)分かりやすくまとめるのが大変だったけれど、子どもたちが喜んでくれてうれしかった」。引率した音楽科の教諭(60)は「発表の場や地域との交流を持てることは、生徒にとって貴重な機会」と、園側に感謝していた。

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