「メルセデスF1とフェラーリの信頼性は高すぎる」とFIA会長が問題視

 FIA会長のジャン・トッドは、F1の上位チームのマシンの信頼性は高すぎると考えている。これは大手チームが多額の費用をつぎ込んでいる結果であり、こういう状況はF1にとって必ずしもいいことではないという。

 2017年もメルセデスが席巻、今季型W08は、好結果を出す力があり信頼性も高いマシンであることが証明された。ルイス・ハミルトンはこのマシンで全戦入賞を果たし、4度目のタイトルをつかんでいる。

「メルセデスは常に最速というわけではなかった。それでもルイスは20戦すべてのレースでポイントを獲得した。マシンの信頼性があまりにも高い」とトッドは語った。

 信頼性の欠如こそが、シーズン後半にフェラーリがメルセデスに負け越した理由ではないかという主張もあるが、トッドはフェラーリのマシンの信頼性も高すぎるとの考えを示した。

「フェラーリにも感銘を受けた」とトッド。

「私は自分の意見を曲げるつもりはない。フェラーリとメルセデスの信頼性は高すぎる。そこに多くの費用がかけられている。テストやシミュレーターなどに、多額の費用があてられているのだ」

「良いスポーツのためには、そうしたことすべてが必要なわけではない。実際には逆だろう」とトッドは付け加えた。

 現在FIAとF1首脳陣および各チームは、将来のレギュレーションのプラットフォームについて話し合いを行っている。トッドは現在の状況について以下のように語った。

「今のエンジンは費用がかかりすぎるし、複雑すぎるし、あまりにも静かだ」とトッドは認めた。

「しかしそこから積み重ねていくことはできる。我々は現在、マニュファクチャラーと既存のエンジンを進化させることについて議論をしている。そのプロセスはまだ終わっていない」

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