訪問販売、一律規制強化に「違和感」 黒岩祐治知事

 県が消費生活条例改正案で訪問販売の規制強化を見送ったことについて、黒岩祐治知事は19日の会見で「悪質な訪問販売を防ぐため、全部の訪問販売を一律の規制で縛ることに違和感を覚える」と説明。悪質業者を締め出すには「許さないぞ」とメッセージを発信して地道に取り組むことが適切との認識を示した。

 知事は条例改正に伴う規制強化について、「非常に慎重に考えてきた」と強調。その上で、独居老人宅を訪問して命の危機を救った事例の表彰実績などを例に挙げ、「訪問販売がすべていけないというのは、ちょっと違うと実感している」と述べた。

 規制強化に対し神奈川県議会や県民意見で寄せられた「大半の真面目な事業者の健全な事業活動が阻害される恐れがある」「地域の見守り活動に影響するのでは」といった懸念を重視したとの認識を示した。県民意見では7割が規制強化に賛成しており、神奈川県弁護士会は県民の要請を「無視」して規制を見送ったとして知事の姿勢に抗議している。

© 株式会社神奈川新聞社