北メディア「対話の看板に興味を感じない」

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は19日、同国の核ミサイル開発問題をめぐるティラーソン米国務長官の発言を非難し、「核戦力強化の道から一寸も退かない」とする署名入りの論評を掲載した。同日、朝鮮中央通信が伝えた。

ティラーソン氏は12日、ワシントンで行った講演の場で、「最初の会談は、前提条件なしで開く用意がある」と述べた。しかし、15日に国連安全保障理事会で開かれた北朝鮮問題をめぐる会合では、米国はいかなる前提条件にも応じないと記者団に語り、発言を撤回する形となった。

ティラーソン氏の発言に対して論評は、「前提条件のある会談を提起しようと、前提条件のない会談を提起しようと、米国が狙うのは共和国の核放棄であり、以前と変わったものが何もない」と指摘した。

また、「内部の調整も正しくできなくて国際社会の嘲笑の種になっている米国が一貫性がなく取り付けたりはずしたりする対話の看板に興味を感じない」と述べた。

さらに、「朝米間の問題解決のための方途は米国がわれわれを敵に規定した極悪な対朝鮮敵視政策を一日も早く中止することであり、核を保有したわが国家と平和的に共存するところにある」と強調した。

その上で、「米国の対朝鮮敵視政策と核威嚇が根源的に一掃されない限り、いかなる場合にも核と弾道ロケットを協商のテーブルに上げないし、すでに選択した核戦力強化の道から一寸も退かないというわが共和国の立場には少しも変わりがない」と主張した。

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