インテルのFalcon8+ドローンが15世紀のドイツの大聖堂を検査 2017年12月13日。米国インテルは、Falcon8+ドローンを使いドイツのザクセン=アンハルトにあるハルバーシュタット大聖堂の外観や内部を撮影したと発表した。

総飛行時間1時間未満で約1,000枚の画像を撮影

ハルバーシュタット大聖堂の内部を撮影するインテルのFalcon 8+ドローン

 インテルは、ドイツのバウハウス大学のワイマールとクルトゥールシュタットン・ザクセン・アンハルトの専門家と協力して、ドローンの技術を用いたハルバーシュタット大聖堂の検査と被害評価を実施した。インテルのFalcon(ファルコン)8 +ドローンは、自動および手動操作により、大聖堂の屋内と屋外を飛行した。一連のミッションを通じて、ハルバーシュタット大聖堂とそのアートワークが、何世紀にもわたって繁栄するための復元に向けた計画に必要なデータを収集した。
 ハルバーシュタット大聖堂のような歴史的建造物は、変化する環境条件により経時的に悪化する可能性がある。標準的な保存状態の調査と構造の健全性の検査は、歴史的な建物のすべての部分を見て、その状態と修復状態を評価するために、重要なアプローチとなっていた。しかし、従来はこうした調査には費用がかかり、技術的に実施が困難だった。
 インテルFalcon8+ドローンは、周囲を邪魔することなく、脆弱で到達困難な構造物を目視検査する新しい費用対効果の高い方法を保全チームに提供した。ゴシック様式の教会とそのアートワークの繊細なコンディションの記録において、ドローンによる撮影は特に効果的だ。損傷を受けているいくつかの像では、損傷の潜在的な危険を軽減するために、はしごや足場を含む従来の方法ではない新しい検査の技術が求められていた。なぜなら、大聖堂の床から約20フィート上にある多くの石像は、壊れやすく繊細な色の顔料により不安定な状態にあったからだ。

 調査に参加したバウハウス大学のノーマン・ハルマン氏は「インテルFalcon8+のような高度な空撮技術は、構造監視のための重要な可能性を提供します」と話す。また「Intelのドローン技術を利用することで、大聖堂の鐘楼のように、以前はアクセスできない空間に到達できました。今回の調査は、3年間のプロジェクトの始めの段階に過ぎませんが、ドローンを通じてこれらの検査を実施することで節約される費用は、さらなる保全努力に向けられています」と期待を述べる。
 インテルFalcon8+ドローンは、総飛行時間1時間未満で、約1,000枚の詳細な画像と追加の映像を撮影した。さらに撮影後にデータを処理して、保全チームが分析するための正確な3次元構造モデルを生成した。文化遺産を保存するときは、復元作業を開始する前に正確な調査と詳細な検査が必要になるので、今回のドローンによる空撮では、作業時間を大幅に短縮し、コストも削減しただけではなく、これまで困難だった箇所の事前の検査も可能にした。
 インテルの新技術グループの副社長兼ゼネラルマネージャであるアンリ・ナンデュリ氏は「インテルFalcon8+ドローンを利用して、自動化され、分析される検査の将来について、非常に興奮しています。この象徴的な建造物の歴史を復元するためのプロジェクトに参加できることに興奮しています」と話している。

ハルバーシュタット大聖堂の外観を撮影するインテルのFalcon 8+ドローン

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