北朝鮮の人権侵害を非難…国連総会、13年連続で決議採択

国連総会は19日、北朝鮮の人権侵害を非難し改善を求める決議案を無投票による議場の総意(コンセンサス方式)により採択した。同種の決議採択は2005年から13年連続。中国とロシアは決議採択に反対する姿勢を示しながらも、採決は要求しなかった。

北朝鮮の慈成男(チャ・ソンナム)国連大使は採択前の演説で、「決議案は違法かつ道徳に反したたくらみであり、断固として拒否する」と批判。北朝鮮や中国、キューバなどはコンセンサスに加わらなかった。

決議は北朝鮮の組織的で広範囲な人権蹂躙を非難するもので、拘禁施設などでの拷問や強姦の横行、公開処刑、連座制、強制労働などに言及。外国人に対する拷問や恣意的な拘束などの報告に懸念を示す項目も新たに追加された。

また、朝鮮戦争などで生き別れになった南北の離散家族の再会が中断していることへの懸念も表明した。

さらに、これらの問題に「最も責任ある者」に対する制裁と国際刑事裁判所(ICC)付託を国連安全保障理事会に促す内容が、4年連続で盛り込まれた。間接的ながら、金正恩党委員長の責任追及を求めたものと言える。

決議案は欧州連合(EU)と日本が共同提出した。

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