製鉄プラントエンジニアリングメーカーのスチールプランテック(社長・灘信之氏)は中国金属学会と協定書を締結した。環境対応型高効率アーク炉「エコアーク」の普及・販売拡大のため協力するもので、環境への意識が急速に高まりつつある中国で拡販を目指していく方針。
同国の鉄鋼業界は総生産量の削減や小規模で効率の低い旧設備の淘汰、環境対策の必要性などから構造改革の過程にある。また、電力供給の充実や鉄スクラップ流通量の増加を背景に、2020年までに電炉鋼比率は総生産量の15%に当たる約1億トンに拡大することが予想されている。
こうした中、スチールプランテックでは環境負荷を大幅に抑えつつ生産コストについても大きな優位性を持つ「エコアーク」の中国市場における普及・推進策として今回の業務協力に至った。調印式には学会関係者や大学関係者、鉄鋼メーカー約10社、関連設備メーカーも加わり50人以上が出席し、盛大に行われた。
中国金属学会は中国鉄鋼業界における各製鉄プロセスの発展と先進技術の普及を推進する政府公認の学会。個人会員9万人、法人会員約170社を有する中国最大の科学技術団体で、鉄鋼業界に強い影響力を持つ。
今回、同学会では「エコアーク」を〝エコロジカル〟を表す〝生態〟を冠して「エコアーク生態電弧炉」と命名。両者で普及を推進していく。また、中国の「中国製造2025」「インターネット・プラス」戦略に呼応して、情報技術を用いたインテリジェントな生産に向けた開発も進めていく方針。