三菱マテ子会社の品質不正問題、三菱電線で新たな不正案件

 三菱マテリアルは19日、子会社の三菱電線工業と三菱伸銅が品質データの書き換えなどを行っていた問題で、新たに三菱電線で品質データの書き換えや検査の一部を実施していない製品があることが判明したと発表した。同日会見した竹内章社長は一連の不正問題を謝罪した上で、「内部統制体制の拡充とコンプライアンスの推進を図り、信頼回復に努める」と述べた。今回新たに見つかったのは電子部品用の巻線「平角マグネットワイヤ」でのデータ書き換え案件。同製品の売上高の約1%を占める43ロット(出荷先5社)で被膜の厚さなどの寸法データ書き換えがあった可能性がある。

 また、シール材についても一部検査不実施によって不適合品を出荷した範囲が広がる可能性があることが分かった。

 三菱電線が不適合品を出荷した可能性があるのは約260社で、11月に公表した229社から増えた。

 このほか直近2年間を対象期間に、全工場および子会社に対して実施した書面調査の結果、新たに品質コンプライアンス事案11件(同社製造拠点8件、子会社3件)が確認されたことも明らかにした。内容は工程変更手続きの遅れや漏れ、測定方法・分析手法の誤りなどで、同社はデータの書き換えなどはなかったと説明した。

 同社は、年内に三菱伸銅の調査報告と三菱電線の調査進ちょく状況の報告を行うとしている。

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