ミカンの発泡酒販売 小田原市内の耕作放棄地を活用

 神奈川県小田原市内の耕作放棄地を活用して生産された温州ミカンをもとにしたスパークリング酒「おひるねみかん酒スパークリング」が完成し、20日から販売される。

 発案した、ミカンの生産に取り組む「小田原かなごてファーム」(同市成田)によると、高齢化と担い手不足などにより、市内の耕作放棄地は増加傾向にあるという。同社代表理事は「耕作放棄地について商品を通じて知ってもらえたら」と話している。

 同社は、2014年1月から耕作放棄地約1ヘクタールでミカンを生産。ミカンそのものとしてだけでなく、ジュースに加工して販売してきたが、より多くの人に農業の現状などを知ってもらおうと、スパークリング酒の開発を考えた。

 昨年12月、井上酒造(大井町上大井)に協力を呼び掛け、ことし9月に第1弾として200本を発売。ことし仕込んだ新酒で造った第2弾では、160本を販売する。足を運んでもらうことで下曽我地域の活性化につなげようと、地元の内山商店(同市曽我谷津)のみで販売する。

 砂糖を使っておらず、清涼感とまろやかな口当たりが魅力。井上酒造の井上寛社長は「甘さが抑えられており、ミカンの特徴が楽しめる。年末年始のおめでたい席で食前酒や食中酒にお薦め」と話している。

 1瓶360ミリリットルで、税込み1080円。問い合わせは、内山商店電話0465(42)0826。

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