日本冶金、韓国の醤油醸造タンク用のスーパーステンレス受注

 日本冶金工業は韓国食品大手の泉標食品(京機道利川市)の醤油醸造タンク(諸味タンク)用に、独自鋼種のスーパーステンレス「NAS254N」厚板、薄板を180トン受注した。醤油醸造タンク向けに同鋼種を受注したのは日本国内大手向けに続いて2件目。2018年末ごろの完成が見込まれており、日本冶金は17年度末までをめどに製造する予定。

 泉標食品は、韓国内の醤油市場シェアの60%以上を占める韓国最大の醤油メーカー。生産量拡大のために新設する醤油醸造タンク12基(1基当たり300キロリットル)に、耐食性が極めて高いNAS254Nを採用する。従来使用しているタンクは経年劣化するため定期的なメンテナンスが必要だが、醤油に腐食されないNAS254N製タンクにすることでメンテナンスフリー化が図れ、ライフサイクルコスト低減に寄与できると判断した。

 醤油は約17%の塩分を含むため、腐食性が強く汎用ステンレス鋼では耐食性が不十分だが、NAS254Nは日本国内大手醤油会社の醤油醸造タンクに大量に採用された実績があり、長期間にわたり問題なく稼働していることも採用の参考となったようだ。

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