【富山×岐阜】風情ある町並みを楽しむ大人の女子旅① 越中八尾と飛騨古川

風情ある町も地元グルメも、どちらもじっくり味わいたい……そんな欲張りな旅好きさんには、富山県と岐阜県をまたいでの町歩きがおすすめ。昔からつながりが深い両県。大人の女子旅や夫婦旅行にぴったりの、古い町並と祭り文化が息づく美しい土地を巡る旅「富山×岐阜」シリーズ。今回は「越中八尾&飛騨古川編」をお届けします。

「富山と岐阜? どうして富山と岐阜?」

こんにちは。チイキイロ編集部のモノづくり憧れ系女子 ツキミです。
1泊2日で富山県と岐阜県を巡る旅のお誘いを受けたわたしが、最初に発したのがこの言葉。同じように思った方、もしかしたら多いのではないでしょうか?

富山県と岐阜県はお隣同士

調べてみると、この2県、実はとても近く……というか近いどころかかなりの割合で接しているではありませんか! 地図で見るとこのようなかんじ。

観光ポスターや旅行本も各県ごとのものが多いので、どの県が隣り合わせかって、意外と認識していないものなんですね。

さてそんなお隣同士の富山県と岐阜県。実はいま、「富山×岐阜 うみ、やま、ひと 物語に出会う旅へ」という名前で、2つの県を一緒に楽しんでもらおう! という取り組みを行っているんです。

きっかけは2016年の12月、富山県から3つ、岐阜県から3つのお祭りが「山・鉾・屋台行事」としてユネスコ無形文化遺産に登録されたこと。

※ユネスコ無形文化遺産とは
[地理的に近い富山と岐阜はもともと深いつながりがあったそうなのですが、これを機に改めて、訪れる人々に両県の魅力を一緒に楽しんでもらおう、ということのようです。](https://kotobank.jp/word/%!!(MISSING%29!(MISSING%!E(MISSING%29(MISSING%!!(MISSING%29B(MISSING%!!(MISSING%29B(MISSING%!!(MISSING%29E(MISSING%!B(MISSING%29B%!!(MISSING%29!(MISSING%!E(MISSING%29(MISSING%!B(MISSING%29E%!!(MISSING%29!(MISSING%!E(MISSING%29(MISSING%!B(MISSING%29B%!!(MISSING%29!(MISSING%!E(MISSING%29(MISSING%!!(MISSING%29B(MISSING%!!(MISSING%29B(MISSING%!!(MISSING%29E(MISSING%!!(MISSING%29F(MISSING%!!(MISSING%29B(MISSING%!!(MISSING%29E(MISSING%!!(MISSING%29A(MISSING%!!(MISSING%29C(MISSING%!!(MISSING%29E(MISSING%!!(MISSING%29B(MISSING%!!(MISSING%29A(MISSING%!!(MISSING%!B(MISSING%29(MISSING%!!(MISSING%29-(MISSING%!(NOVERB%29

[■VISIT富山県「富山・飛騨高山観光バス」 ](https://kotobank.jp/word/%!!(MISSING%29!(MISSING%!E(MISSING%29(MISSING%!!(MISSING%29B(MISSING%!!(MISSING%29B(MISSING%!!(MISSING%29E(MISSING%!B(MISSING%29B%!!(MISSING%29!(MISSING%!E(MISSING%29(MISSING%!B(MISSING%29E%!!(MISSING%29!(MISSING%!E(MISSING%29(MISSING%!B(MISSING%29B%!!(MISSING%29!(MISSING%!E(MISSING%29(MISSING%!!(MISSING%29B(MISSING%!!(MISSING%29B(MISSING%!!(MISSING%29E(MISSING%!!(MISSING%29F(MISSING%!!(MISSING%29B(MISSING%!!(MISSING%29E(MISSING%!!(MISSING%29A(MISSING%!!(MISSING%29C(MISSING%!!(MISSING%29E(MISSING%!!(MISSING%29B(MISSING%!!(MISSING%29A(MISSING%!!(MISSING%!B(MISSING%29(MISSING%!!(MISSING%29-(MISSING%!(NOVERB%29

http://toyama.visit-town.com/special/toyamahida

1日目は、【おわら風の盆の町・越中八尾 ⇒ 映画「君の名は。」の舞台にもなった飛騨古川 ⇒ 飛騨高山】というコースを巡りました。

『おわら風の盆』の町 富山県:越中八尾

(おわら風の盆の「ぼんぼり」)

富山駅から車で30分程、最初に訪れたのは『おわら風の盆』というお祭りが有名な、富山市内にある八尾町越中八尾(えっちゅうやつお)とも呼ばれています。養蚕(特にカイコの卵)、生糸、和紙の生産やその取引で繁栄した町。その面影が色濃く残っています。

到着したら、まずは越中八尾観光会館<曳山展示館>へ! ここで、町をお得に散策できる「よばれっちゃ」というクーポン券を購入しておくのがおすすめです。

(開くと立体的になるクーポン券「よばれっちゃ」)

町の地図が分かりやすくて便利なことと、

**1)曳山展示館の入館券1枚
2)和菓子などと交換できる引換券3枚
3)ケーキセットなどが割引になる割引券1枚**

がついて、大人1,000円。曳山展示館の入館券だけで500円なので、かなりお得です。

(八尾の2つのお祭り)

「よばれっちゃ」購入ついでに、ぜひ観光会館内にある曳山(ひきやま)展示館の見学を。ここでは、毎年5月3日に行われる越中八尾曳山祭で使われる曳山(山車)の一部展示と、おわら風の盆について楽しめます。
(越中八尾曳山祭については、今回訪れた他の町のユネスコ無形文化遺産登録行事とともに、別の記事でご紹介します。)

■『おわら風の盆』のこと

300年程前からある『おわら風の盆』は、胡弓を使ったしっとりした旋律にのって、無言の踊り手たちが踊りを披露するその優雅で独特の雰囲気から、実はいまとても人気があるんです。

開催は毎年9月1日〜3日。お祭りに参加したい人がとても多く、お祭りの3日間だけでは受け入れきれず、今では8月20日〜30日の11日間も前夜祭があり、1日につき1つの町で夜の数時間、町流しや輪踊りを行っています。

(出典:(公社)とやま観光推進機構)

11ある町ごとに踊りの「場」があり、女性の浴衣の柄が異なります。顔が見えないよう笠をかぶり黒帯をするのは各町同じ。貧しい家にもある黒帯で統一することで、身分の差をわからないようにしたそう。お祭りは町の人みんなで! という優しい気持ちの表れだと感じました。期間中には、道路にある穴にぼんぼりを立てて灯し、なんとも幻想的な景色に。

お祭りは夜通し行われ、越中八尾駅の始発電車で帰る観光客を踊って見送ってくれるそうですよ。ただこれはお祭りの行事というわけではなく、駅前の福島(ふくじま)町の方々がご好意でしてくださっているとのこと。こういうお話、なんだかほっこりしてしまいますね。

開催期間以外でも毎月第2・第4土曜日であれば、越中八尾観光会館ホールでおわらの踊りや音楽を楽しむことができます。

■越中八尾観光会館
http://www.yatsuo.net/kankou/KAIKAN/

■越中八尾の町並み

お祭りの時の特等席を見せていただきました。

『越中八尾ベース OYATSU』さん。明治5年建造の蔵を使った宿で最大13名まで泊まれます。

2階の1室は道に面していてお祭りが目の前で見られる! ので、とても人気があるのもうなずけます

(2階部屋からの眺め)
(OYATSU入口。蔵だったことがよくわかります。)

お祭りがない時でも、着物の着付けや三味線の体験ができたり、カフェが併設されているので、のんびりお茶することもできますよ。

■越中八尾ベース OYATSU
http://8-base.chu.jp/

また、越中八尾の町の中には、日本の道100選に選ばれた道がありました。

八尾町道諏訪町本通り。雪を流す側溝がある雪流しの道。

おわら風の盆のお人形が軒下に。

果物の干し方にもセンスを感じます。右上は実は郵便局。集合住宅も周囲の建物にあわせた佇まい。

街の端には、街を見守る苔むす『若宮八幡社』。

養蚕で潤った町なので、手水舎にはなんとおカイコさまが! カイコを大切に思う気持ちの表れなのですね。

「越中八尾和紙」を作る「桂樹舎(けいじゅしゃ)」さんでは、和紙作りを少しだけ拝見。桂樹舎さんは以前ご紹介した富山の地方新聞・北日本新聞の「富山もよう」の名刺入れなどを作っているんですよ。

⇒富山の日常を一枚のテキスタイルに。地方紙発「富山もよう」の魅力と楽しみ方

桂樹舎さんの裏手にある井田川に面して、玉になった石の壁が続きます。八尾の美しい風景の1つ。

散策の途中、八尾のお菓子「玉天(たまてん)」は絶対に食べて欲しい! 卵白のメレンゲに、卵黄をつけて焼いた富山のお菓子で、それはもう、ふわっふわ! 初めて食べる味と食感です。訪れたお店は「おわら玉天本舗」さん。さきほどご紹介した「よばれっちゃ」の引換券で交換できます。

■おわら玉天本舗
富山県富山市八尾町東町2227

もちろん富山の海の幸も楽しめます。「濱鮨」さんの海鮮ちらし丼、とてもおいしかったです。

■濱鮨
富山市八尾町上新町2639

八尾には酒造が2つ。今回は「玉旭酒造」さんへ。にごり酒のお土産はとても喜ばれました。

■玉旭酒造
http://www.tamaasahi.jp/

たっぷり八尾の町を楽しんだら、次は岐阜県に向かいましょう!

富山と岐阜とブリ街道

富山県と岐阜県、特に飛騨エリアと呼ばれる岐阜県北部は、古くからつながりがありました。(ちなみに岐阜県南部は美濃エリア。)
富山湾で獲れたブリを塩漬けにして、飛騨高山を経由し信州などに運んでいたので、「ブリ街道」と呼ばれる飛騨街道を人やモノが行き交っていました。今でも飛騨では12月31日に塩漬けにした富山のブリを食べるそうです。

また、富山の人が飛騨にデートに行ったり、飛騨の人が富山に映画を見に行ったりと行き来があるそう。
次の目的地の飛騨市古川町は、八尾からは車で1時間程。ここでも風情ある町並みとグルメが楽しめます。

あの映画の聖地! 岐阜県:飛騨古川

飛騨古川は、映画「君の名は。」に一部風景として登場する場所なので、ご存知の方も多いかもしれません。

(これが映画に出てきた駅を眺める風景。聖地巡礼で訪れる人も多いところ)

飛騨古川にも、古くから伝わるお祭りがありました。

「古川祭」は毎年4月19日・20日。「飛騨古川まつり会館」では、このお祭りの様子を3D映像で観られます。美しい屋台(山車)だけでなく、大勢の上半身裸の男性が太鼓をたたき、ぶつかり合いの激しいお祭りは、画像で見るだけでも迫力満点!

■飛騨古川まつり会館
http://www.okosidaiko.com/

また、飛騨では昔から良質の木材が採れたこともあり、木工がさかんです。優れた木工技術者が古くから揃っていました。
地元の大工さんたちの匠の技を集めた「飛騨の匠文化館」。ここからはガイドさんをお願いしました。

■匠の技と祭り文化が溶け込む飛騨古川の町並み

(飛騨の匠文化館)

この建物は釘を1つも使っていないんですって!
飛騨大工さんの技術を集めた、飛騨の木造建築の集大成。使っている木はもちろん地元産のもの。

飛騨古川の建物には、とてもステキなデザインが施されています。「雲」と呼ばれる肘木(ひじき)です。大工さんごとに違う意匠を持つので、「これは誰が作った建物だ」ということが、分かる人には分かる! 古川の大工さん達の誇りのシンボルなんですね。

一般のお家にもこんな意匠が。ついつい建物の細部をじっくり見たくなります。

■飛騨の匠文化館
岐阜県飛騨市古川町壱之町10-1

古川祭で使う大きな屋台を入れる土蔵。9台の屋台それぞれに土蔵があり、少しずつ違うのも見所。大工さん・鍛冶屋さん・左官屋さんの技術の結晶です。

土蔵のお隣には、祭りの唄・楽器演奏を練習するためだけ!の会館が。神事であるお祭りを大切に扱っているんですね。ちなみに、古川の多くの家の玄関上には、この会館入口のように、木目が非常に美しい一枚板がはめられています。飛騨にいい木がある証。楣(まぐさ)と呼ぶそう。

瀬戸川沿いにも風情ある白壁の土蔵が並んでいます。毎年1月15日の「三寺まいり」の時には、川沿いに1000本のロウソクが灯るそう。

訪れた時は外国人カップルがウェディング写真を撮っていました。

ここでのおいしいものは、飛騨古川の地酒。「白真弓」の蒲酒造場さんにも寄って、スパークリング日本酒『Janpan(じゃんぱん)』をお土産に。

■蒲酒造場(かばしゅぞうじょう)
http://www.yancha.com/

飛騨といったら、やっぱり飛騨牛! 歩きながら見つけた「飛騨牛コロッケ」に飛びつきます。飛騨牛が贅沢にたくさん入っておいしい!

■ひだコロッケ本舗
岐阜県飛騨市古川町壱之町10-1

富山・岐阜には紹介しきれないくらい風情あふれる町並みとグルメが本当にいっぱい!で、長くなりましたので別記事に続きます。

飛騨古川の後は飛騨高山、そして再び富山県に入りますよ。お楽しみに。

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