【きらりと光るわが社の〝得意技〟】〈村木商事〉ナメクジ忌避用銅コイル「ドーダ」無毒・無害、効果が長期持続

 非鉄流通問屋の村木商事(本社・東大阪市、社長・村木俊文氏)は1928年の創業、49年の法人化で、業界では「銅・黄銅の板条の村木」として著名。西日本地域が営業テリトリーで、従業員は20名。

 一押し製品はナメクジ忌避用銅コイルの「ドーダ」。「ドーダは息の長い製品で、上市してから約20年が経過する。開発の契機は、社員が和歌山有田地区のミカン畑を訪れた際、樹木に巻かれた市販の銅板を見たことだった。住友金属鉱山伸銅(現三井住友金属鉱山伸銅)が電線シールド材(0・08ミリ厚品)を生産していたので、それを素材に当社で小割した」(村木社長)。

 その後同社はシールド材の生産から撤退、現在は川崎圧延の素材を購入し、製品化している。

 「ドーダ」の特徴は6点ある。まず1点目は忌避効果。ナメクジは銅(Cu)から発生する銅イオンを嫌う2点目は長期間効果が持続することだ。「ドーダ」を木に巻き付けるだけで銅イオンの出続ける限り効果が持続する。緑青の発生を目安に巻き替えればより効果的。3点目が無毒・無害であること。銅緑青および銅イオンの無毒・無害は84年8月、厚生省(現厚生労働省)が公表済みだ。

 木に巻きつけるだけという簡単な作業、従来の防虫材料や殺虫剤などと比較して銅イオン効果は長期間持続し経済的、ナメクジが好むすべての農作物に効果があり多用途という点も大きな利点といえる。

 「ドーダ」は50メートル巻と100メートル巻の2種がある。仕様は50メートル巻が板厚0・08×40ミリメートル、単重1・46キログラム。100メートル巻が板厚0・08×40ミリメートル、単重2・92キログラム。

 「『ドーダ』は発売後5年で一定の知名度を得て売れ行きが良く、その後は横ばい。今年4月には国際銅協会(ICA)の銅の殺菌効果を示すブランド『Cu+』認証を取得した」(同)。

 「ドーダ」は主にミカン畑で使われており、広島、愛媛、佐賀などの果樹組合連合会や農協がお得意先。1月から5月までの5カ月間が販売シーズンで、その時期は月間で100メートル巻100本、50メートル巻500本を販売する。

 「今後、銅が持つ抗菌・防虫効果を活用し、『ドーダ』に続く新製品を、開発担当者を選抜してチームで進めていく」(同)という。(白木 毅俊)

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