中村工業、米クロスビー社の金具商品を拡販 ワイヤロープとセット販売

 ワイヤロープ加工および販売業の中村工業(本社・大阪市大正区、社長・中村哲也氏)は、代理店を務める米国吊り金具メーカー大手であるクロスビーの商品ラインアップを増やし、ワイヤロープとセット販売を模索するなど拡販に努めている。その中で、中村工業は2種類のクロスビーの新商品「ハンドルフック」と「スライドロック」を取り扱う。

 ハンドルフックは、ワイヤロープと重荷物をつなぐハンドルとトリガー付きのフック。ハンドルとトリガーを付けることにより、手袋をしたままでもハンドルがつかめ、指を挟むことなく、より安全な玉掛け作業が可能となる。また、ロープなどの脱着も容易に可能。主に土木・建築・造船向けに使用する。従来のフックにはハンドルおよびピストル状のトリガーがなかったが、クロスビーはユーザーの要望で同製品を開発した。使用荷重は約10トンから27トンまで対応している。

 スライドロックは縦吊りだけでなく、横吊りも可能な回転式アイボルト。回転と固定がワンタッチで可能となり、従来製品では持ち上げることが困難だった重荷物の円滑な持ち運びができる。主に、造船関連などで使用する。使用荷重は0・5トンから3・2トンまで対応しており、中村工業は同商品を即納できる体制だ。

 両製品にはクイックチェックと呼ばれる、視覚的に安心安全な作業が行えるマークが付いている。そのため、玉掛け作業の精度や作業効率の向上につながる。また、両製品にはそれぞれCEマークと呼ばれるすべてのEUの基準を満たした商品に付けられるマークが付いている。CEマークは欧州を中心に船具屋などの造船関連商品などを販売する時に必要となる場合がある。

 中村社長は「両製品とも安心安全かつ効率性に長けている。拡販に努めながらワイヤロープ業界の発展にさまざまな形で寄与していきたい」と話す。中村工業は、クロスビー商品を含めたワイヤロープ関連の研修セミナーを来年に予定している。

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