NEDOとソーラーフロンティア、CIS系薄膜太陽電池で世界最高の変換効率

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とソーラーフロンティアは20日、CIS系薄膜太陽電池セル(約1平方センチ)で世界最高の変換効率(22・9%)を達成したと発表した。CIS光吸収層の改良や光吸収層表面処理の改善などの技術で達成したもので、NEDOが掲げる発電コスト目標「2020年に14円/キロワットアワー、2030年に7円/キロワットアワー」の実現に大きく前進した。

 CIS系薄膜太陽電池は、銅、インジウム、セレンなどによる化合物を光吸収層とした太陽電池。今回達成した変換効率22・9%は1月にソーラーフロンティアが同太陽電池セルで達成した世界最高記録21・7%を1・2ポイント更新するもので、これまでに計測されたすべてのセルサイズの中で世界最高の変換効率。

 NEDOとソーラーフロンティアは、今後も引き続き変換効率向上と製造コスト低減、信頼性向上などの技術開発に取り組む。また、ソーラーフロンティアは今回の研究成果を活用した製品の実用化に向けた開発を進める。

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