③愛媛国体24位と健闘 地元での予選会生かす

 9、10月に愛媛県を中心に開かれた第72回国民体育大会「愛顔(えがお)つなぐえひめ国体」。18年ぶりに新調されたユニホームを着た本県選手団が、総合開会式で堂々と入場行進した。天皇杯得点(男女総合)は940点で24位と健闘。昨年の919・5点で28位から巻き返した。

 入賞数は20競技67種目。昨年の21競技57種目を上回った。銃剣道成年、ソフトボール少年女子、カヌースプリント成年男子カヤックシングル500メートルの水本圭治(チョープロ)、陸上少年男子B100メートルの池田成諒(島原高)、同3000メートルの林田洋翔(瓊浦高)が日本一に輝いた。

 決勝で惜敗したバレーボール少年男子をはじめ、ボウリング少年男子団体、ボクシング成年男子フライ級の北浦龍馬(東農大)、レスリング少年男子フリースタイル84キロ級の大津拓馬(島原高)、競泳少年男子A200メートルバタフライの早田昌太郎(長崎南山高)が2位に入った。バドミントンは少年男女が42年ぶりに同時入賞。男子は同種別で過去最高の3位、女子も5位に入り、競技別総合5位と躍進した。

 今年は本大会の出場権を懸けた九州ブロック大会が、8年ぶりに県内で開かれた。地の利を生かし、昨年より4競技5種目多い出場権を獲得できた点も、順位を押し上げる一因となった。

 ホッケー会場の東彼川棚町では町内放送を流し、地域住民に応援を呼び掛けた。声援を力に1枠の代表権をつかんだ少年女子は、本大会で5位入賞。貴重な20点をもたらした。水球少年男子も地元の後押しを受け、初めて九州ブロックを突破。会期前開催で8位入賞し、チーム長崎を勢いづけた。

 一方で、思うような成果が表れない競技もあった。敗因の分析を踏まえた計画的強化のほか、出場枠獲得を第一目標に国体に対する意欲を高め、垣根を越えたスタッフの協力体制を築くなど、「オール長崎で戦う」意識の再確認が必要となる。

 来年の福井国体に向け、県体育保健課は千点を目標に掲げている。そのために、ジュニアの育成、有力な社会人や大学生の確保が求められる。3年前の地元国体を経験した高校3年生は、大学4年生となる年。地元に戻って競技ができる環境を整えられるかもポイントになりそうだ。人材を最大限に生かしてほしい。

銃剣道成年で3連覇を達成し笑顔を見せるメンバー=愛媛県東温市ツインドーム重信

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