JASRAC徴収に「待った」 音楽教育を守る会が文化庁に裁定申請

 日本音楽著作権協会(JASRAC)が全国の音楽教室から著作権使用料を徴収する方針を示している問題で、ヤマハ音楽振興会や河合楽器製作所などが結成した「音楽教育を守る会」(東京都目黒区)は21日、司法判断確定までの徴収保留を求めて文化庁長官に裁定を申請した。

 裁定手続きが始まれば、JASRACが来年1月から計画していた徴収は先送りされる見通し。

 「著作権等管理事業法」に基づく裁定申請は初めてで、申請した同会会長の三木渡・ヤマハ音楽振興会顧問は「目先の徴収が音楽文化の根を絶やすことにならないよう、JASRACは大所高所から物事を見てほしい」と話した。

 同会会員は6月、JASRACに徴収権限がないことの確認を求めて東京地裁に提訴。その後、司法判断確定までの徴収保留を求めて同法に基づく協議をJASRAC側と重ねてきたが、合意に至らなかったために裁定申請書を提出したという。

 また、JASRACが音楽教室事業者に送付した文書で、訴訟中であることを記さずに来年1月からの規定導入を前提として早期契約を促していたと指摘。「早期契約者への優遇策についても触れるなど規定を既成事実化させようとしており、音楽教室側を困惑、混乱させた」と批判している。

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