外国人育児に強い味方 日本の制度、7言語対応の動画で紹介

 神奈川県内で暮らす外国人の出産や子育てを手助けする動画「外国人住民のための日本の子育てシリーズ」を、かながわ国際交流財団(葉山町)が制作した。行政の制度や必要な手続きの方法などを7種類の言語別に紹介。同財団は「本人たちだけでなく、子育て支援に携わる行政の職員などにも活用してほしい」と話す。

 動画では、妊娠から子どもの小学校入学までの手続きの流れや、受けられる公的サービス、新生児訪問の様子などを映像で説明している。例えば、母子手帳入手に関する項目では、手続きそのものに加え、役所の建物に入ってから担当窓口を探し、たどり着く手段までを紹介。「赤ちゃんは、産科がある病院で産みます」「新生児訪問という制度があります」など、前提となっている日本の習慣も解説している。

 外国人の子育てでは言語や文化の違いが原因で、情報や制度の理解が難しい現状がある。同財団はことし5月、外国人向けに多言語の資料キットを作成して市町村や小児科などでの配布を開始。今回はさらに映像を使うことで、多くの情報をよりイメージしやすいようにした。動画は今月に完成し、DVD化したものが市町村の担当部署などで活用されるほか、インターネットで公開されており、誰でも閲覧できる。

 同財団によると、2016年に県内で生まれた子どもの約19人に1人は両親のどちらかが外国人で、全国平均の約30人に1人と比べても高い割合。当事者だけでなく、行政などの支援現場からも相談が多く寄せられているといい、担当者は「より多くの方に活用してもらい、外国人が安心して日本で子育てできる助けになれば」と話している。

 言語は中国語、タガログ語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語、英語、ネパール語。インターネット動画は「外国人住民のための子育て支援サイト」で検索。問い合わせは、同財団電話045(620)4466。

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